宮沢賢治記念館

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今はもうないポケベルの代理店会で東北を旅させていただいた。
もう10年も前になるだろうか。
ゴルフをした。高村光太郎の元住み家を訪れ、智恵子抄の源流を
感じた。そして宮沢賢治記念館へ。


宮沢賢治といえば、あまりにも有名な人。童話や「雨ニモ負ケズ」
の詩が印象にあった。うす暗い展示場をゆっくり歩く。カバンの
裏から発見されたという遺書と「雨ニモ負ケズ」の書きつけ。そ
して何より妹トシへの手紙に思わず涙がにじむ。事業の隆盛にし
か興味のない男の眼から。
十和田から青森空港へ向かう道。しらかばの並木道をバスは走る。
ガイドさんが、「もうすこし行きますと、左手奥に水芭蕉の原生
地がみえます。」とアナウンス。その場所に近づく。
「ホラ、あそこです。」とガイドさん。皆が一斉に「ワーッ」と
叫ぶ。私たちは一斉の歓声のなかに一体となっていた。