森 信三 運命をひらく 365の金言 10 「本との縁づくり」

本との縁づくり

 諸君、書物というものは、ただ撫でる
だけでもよいのです。ちょっとでも
開いてみればさらによろしい。
それだけでも功徳のあるものです。
つまりそれだけでその本に縁が
できるからです。
いわんや一ぺージでも読んだとしたら、
それだけ楔を打ち込んだというわけです。

 本を読む場合、分らぬところはそれに
こだわらずに読んでいくことです。
そうしてところどころピカリピカリと
光るところに出合ったら、何か印を付けて
おくもよいでしょう。

 そして一回読み終えたら、少なくとも
二、三か月は放っておいて、また読んでみるのです。
そうして前に印を付けたところ以外にもまた、
光るところを見つけたら、また新たに印を付けていく。
そうして前に感じたことと、後に感じたことを
比べてみるのは面白いものです。