故政木和三博士がおっしゃいました。
「始めてあった時に、ああこの人と結婚するんだと
感じたら幸せな結婚だよ。
それも女の人が思ったほうがより幸せ。」
このお話をお聞きしたとき、やっぱり約束の人っているかもしれないと
感じたものでした。
今では人生で出会う人、みんな約束の人だと感じます。
結婚してから45年が過ぎました。
今までの人生といっても、ご先祖さま、縁があったすべての
人々の全魂が個人の中にあって、その縁の中で生かされているのではないかと
感じさせます。
やっとで入った高校生活の一年が過ぎ、二年生になっていました。
クラブは卓球部。
4月、新入生が新しく入部します。
後輩ができる!。ワクワク。
新しい運動服を着て新入生が練習に参加。
ちょっとこちらも恥ずかしい日です。
始めて見て「ドキッ!」としました。変な感覚。
その日の下校時。
わりに急な下り坂をバスの駅に向かいます。
動物園の地下鉄駅までの特定バスを降りて、地下鉄に乗る。
いつものように最後部に立ち、過ぎ去る景色のほうを向いて、
単行本の文学青年きどりです。
少し気になって進行方向に目をやると、次の左のドアのところに
立って彼女がいる!。
その時ほんとに感じたのでした。
「この人と結婚することになる・・・。」
17歳の春のことでした。
それからの日々は頭フラフラ。
日曜なんかこないほうがいい。
カチカチの硬派だったから、高校生は異性とはつきあわない、と
勝手に決めていました。
でも2年間ずっとしずかに思いつづけ、
結局何も言わずに卒業の日を迎えたのです。
どちらが決めたわけでもなく、その日は普通のバスで帰る気になったのです。
彼女も同じバスに乗っていました。
最後のお別れの日です。
いつもの地下鉄駅で降りるのかなと?思ったが、降りない。
こちらもですが・・。
「そのまま30分ほどまだ一緒の車内にいられるーー。」
カチカチの男はこんなに最後になっても声をかけられないのです。
たぶん、声掛けを待っていたのかも、互いにです。
彼女より先にバスを降りる時が来ました。
車内で近くを通るとき小さく「さよなら・・・。」って
言った気がします。
彼女を乗せたバスを振り返ることもしない硬派男。
かっこいい。!
とまあこんな映画みたいなお話から、学生生活の一年が過ぎました。
二回生となった20歳の初夏、学園祭の日が運命の日となりました。
学園祭の模擬店で店員をやっていて、
そこへ彼女の同級生が顔をだしました。
「もしお会いしたら、東京の学校へ行っていると
伝えてください、といわれました。
伝言確かに伝えましたからね。!」
どうしようか。
あの硬派が、今や堰を切ったように大勢の異性と
おつきあい。(笑)
でもその夏休み中のある日、ドキドキしながら家の電話を調べて電話。
帰省中の彼女は帰ってきていました。
初デイトは、オリエンタル中村の屋上の喫茶店。
アルバイト中でのあいた時間でのことでした。
目にまぶしい水色のワンピースが美しかった。
それから5年の間遠く離れて暮らしていたけれど、
ずっとおつきあいは続きました。
そして始めて会ってから8年後の10月14日
僕らは結婚ました。
今から数えると約54年前の17歳のあの日のことは
なんだったのでしょう。
家内に聞いても「あらそう。?」で終わり。
そしてその54年間にもさまざまな人々との
出会いや別れの繰り返し。
人は出会い、別れる。
まだ一緒にいる人って、
まだ教えてくださってます。
深いご縁の運命の人です。
「サヨナラだけが人生だ」