森信三先生の言葉 4~わたくしの宗教はある意味で・・

 わたくしの宗教はある意味では
「拝花宗」ともいえましょう。
ある冬のこと鉢植えの梅の木に
一輪の白い花が咲いたのを見て、
思わず合掌しましたが、全く初めての
体験です。道元の「正法眼蔵」に「精華」
という章がありますが、日本人にとって
宇宙的生命を端的に納得領解しやすいのは、
花であり、ついでは山河自然なのでしょう。

        〇

 全一学というと、何か一つこういう名前の
特別の学問のように思ったら、トンデモナイ
話しで、一口にいったら、「日本人らしい哲学」
または「日本人にふさわしい哲学」という
ほどの意味です。随って唯一どころか、実に
無量多の全一学が可能なはずですよ。
何となれば人間最後は「一人一宗教・
一人一哲学」だからです。

        〇

 米粒一つ作らず、レンガ一つ焼かぬ人間
ですから、せめてこれくらいのことはしなければ
ならぬと思って、出来るだけハガキでお返事を
さし上げるように努めているのですが、しかし
それすらなかなかでしてね。

        〇

 「生命を伝える」ということでは、
男は女に比べてとるに足りんですよ。
雪の中で遭難した場合、男と女とどちらが
生き残るかーというと、もちろん女で
それだけで造物主が女性を念入りに作った
のです。”しぶとい”などというより”根が深い”
ということです。要するにいのちの継承者
だからです。