芳村思風先生の講演だった。
演題は「幸せに生きる方法」。
開口一番先生は語る。
「そんな方法があったら教えてもらいたいです。
幸せ、楽しい、楽しい、と言っている人の周りは
不幸で迷惑している人が實に多い。」
みんなの苦笑を誘う。
「人間は生きてこの世にある限り、問題がない人生はないです。
その問題をどう捉え、次の進歩に結びつけるのかだけです。」
「人間にとって最も幸せなことは、いのちをかけても惜しくない、
対象にであうことです。それは人でもいい。仕事でもいい。
なんでもいいです。皆さんにいのちをかけても惜しくないことって
ありますか?」
いつもこのくだりになると、グットくる。
「20世紀までは理性が世の中を支配してきました。これからは
感性で行動をする時です。心の中から湧き出てくるものが、
感性そのものです。理性で判断してはダメ。ほんとうに
やりたいことをやればいいんです。」
真剣に耳を傾ける人、居眠りしている人、反応は様々。
「人生は意味と愛です。」
行動の意味。そして宇宙の万物を有機的に結び付けている愛。
それが人生のすべて。
一時間半のお話は瞬く間。
誰にでも気さくに自分から名刺を出される芳村先生。
先生の謙虚さと、人々を鼓舞する情熱に、再び感応した
夜でした。夢を失い、行き場所がさだまらない、多くの、
特に男性諸氏に一度は聴いていただきたいお話です。
「21世紀は感性の時代」
先生の静かで熱い声が心に響きます。