平成13年6月11日夕刻。鏑射寺のおくりの一室にいた。
インドから日本へ11年前に授かった仏舎利(お釈迦さま
の骨)で、ノド仏の4つの気泡をどこへ安置するかの相談
のためだった。
高僧は語った。
「空海(弘法大師)が唐より持ち帰った仏舎利が以前、京
都の東寺にあった。歴代の天皇は一年の吉凶を占う為、2
つの入物に分けられた粒を毎年勘定した。毎年のように数
が一定せず、多くなったり、少なくなったり、大きくなっ
たり、小さくなったりした。今もその占いの記録は残され
ている。その仏舎利80粒を鏑射寺で6年間預かってお守
りした。その6年の間、様々なできごとが起きた。手に負
えなくなり、高野山に安置していただいた。仏舎利は不思
議なもので、安易に考えてはならない。」
私たちはただただ歴史の真実や、お釈迦さまの不思議に驚
くばかりだった。
「もし本当に素晴らしいものでしたら、仏舎利そのものが
行く先を決めるでしょう。」
これが和尚さまの結論だった。
その後、その会談で聴くことになっていたであろう数々の
お話をうかがうことになった。
現状の日本
「日清日露の戦いの時、先進国は軍艦を作って売り、莫大
な戦費を日本に貸した。先進国のやり方は、近隣諸国を対
立させ、両方とも弱らせてから、両方ともに支配する方法
で巨大な富を保ってきた。第二次世界大戦しかり、現代の
アジア戦闘地域しかりである。今の中国・北朝鮮・韓国と
日本の関係がまさにそれであり、日本は危機的状況にある。
今は一日8時間の祈りを捧げている。」
私たちに何かできることはないかとの問いに応えられた。
「日本には世界にない言葉(おかげさまで)がある。この
皆や万物のおかげでという精神を国中に伝えあい、世界に
も発信することです。」
再生日本を願う市民によるネットワークをどうするか。
「それに携わるひとが、三蜜すなわち、思うこと、口にす
ること、行為をピッタリとあわせ、高く大きく清らかな志
で行えば、必ず実現するでしょう。叶わぬ夢はないのです
から。」
感情のない感動について
三昧をしたり、般若心経を唱えたりしたときにおこる心の
震えや涙は何を意味するかとの問いにお応え。
「人間は何万、何億かわからぬ時を生きています。その遺
伝子レベルでの進化がおきていると考えられます。それは
素晴らしいことです。」
七年間で二度目の会見は、心が歓ぶありがたい時間だった。
機会をくださったH氏に心からの感謝を申し上げたい。
まさに私たちは気づいた人たちで前進するときがきている。
そのことの強い確信が全身にみなぎった。
私たちは今、生かされながら死んではいないだろうか。