3000「青空ひろば」2023.3.14 自分で自分を自分するから

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今回は立花大敬さんのワンディー・メッセージ「青空ひろば」の最近の記事を紹介します。

896 2023.02.23 ~ 911 2023.3.10

今年の4月から、トータルヘルスさんの主催の「全国行脚」をスタートしています(平成28年,2016年の文章です)。

私が3月いっぱいで学校を退職してフリーな立場になれたというのが、「全国行脚」をスタートしたひとつの理由です。

それと、あちらの世界にいた時、地上に降りる前に同志が集まって、「人類の魂の進化成長のために、地上世界に降りて一緒に活動しようね」と約束し、それぞれの人が果たす役割を相談して決めて「神集(かむつど)ひに集ひたまひ、神議(かむはか)りに議りたまひて」(「大祓詞」)、地上世界に降りてきたのに、まだ再会を果たしていない、一緒に協力して活動出来ていないという人がたくさん全国に散らばって生きていらっしゃるのです。

それで、そんな魂の同志たちと、今生で地上滞在している間に、ぜひ再会・合流したいと思うのです。

そして、そんな仲間の方々とも、あちらの世界で約束したように、今生で一緒に活動できたら、なんとしあわせなことでしょう。

そんな「人類の魂の進化向上を目指すムーブメント」が軌道に乗るところまでは、地上世界に留まって活動に協力してゆきたいなあと念願しています。

さて、そんな全国行脚を始めて気付いたことは、どの地方の会場でも「神道」の話をすると、とても興味を持って下さったり、質問も集中するということです。なぜそうなんでしょう?

それはこういうことなのではないでしょうか。

神道は、日本民族が持つ「魂の根本遺伝子」です。

そして、その遺伝子は、「危機の際」に発動し、表面に現れて活動し始めます。

現在は、世界や日本にとって、はなはだ「危機の際」なので、「神道遺伝子」にスイッチが入り、再び働き出そうとしているのではないでしょうか。

江戸末期、黒船の到来などから始まった西欧文明との遭遇という「危機の際」にも、神道が盛んになりました。そして、この「神道遺伝子」の発動によって、なんとかその危機を乗り切ることができたのです。

「神道遺伝子」には、そういう体制変革を一気にやり遂げるエネルギーがあります。

しかし、その際に神道は国家神道にされてしまい、国家の保護は受けるが、そのために国家に奉仕するためだけの宗教になってしまいました。自主性と独立性を失って、神道を世界宗教へと昇華させる絶好の好機を失してしまいました。

江戸末期から明治初頭における民衆宗教の誕生、たとえば黒住教や金光教、天理教、大本教などは、そのような神道の世界宗教化への試みの芽生えでしたが、それらすら国家権力からの干渉と弾圧を受けて順調な成長が阻害されてしまいました。

神道は、世界宗教(キリスト教や仏教など)に比べると、すごくシンプルで、それゆえにこそ行動力があり、パワフルでもあるのですが、理論面や精神面では、まだまだ発展途上なのです。

キリスト教の、横にすべての人に愛の手を差し伸べ、足を運んで行こうという、民族を超えたチャリティー精神の積極性もありませんし、大乗仏教が生み出した、世界に一人でも苦しんでいる人がいるならば、私は決して仏にはならず、何度も生まれ変わり地上世界にやって来て、すべての人を救済し尽くすまで決して止めないという意志を持った「菩薩」という崇高な人間像を生み出すにも到っていません。

私たちの時代は、グローバルな時代で、世界単位でものごとを考え、行動してゆかねばなりません。

そんな時代なのに、再び神道を民族主義・国粋主義の旗印として掲げようという動きが現れてきているのが残念です。

第二次世界大戦前にも神道が盛んになりましたが、これは日本民族が大戦を前に一致団結して戦う総動員体制をつくるために、為政者が神道と天皇制を利用したのです。

そんな民族主義、国粋主義、天皇至上主義などの弊害が神道には、まだまだこびり付いていて、それが神道を世界宗教に発展させる可能性を阻んでいます。

ただ今、出版社の依頼で本を書いていて、その中に『大祓詞(おおはらえのことば)』も入れて下さいという編集者の要望で勉強したのですが、その時、とても嬉しい発見がありました(『まいにち神様』カドカワ出版として出版)。

それは、この『大祓詞』に説かれている「人の構造」が、私に訪れたインスピレーションが教えてくれた「ヒトの逆円錐モデル」と同じ構造のものであるということに気付いたのです。

私の「ヒトの逆円錐モデル」は、地上世界からみたヒトの構造で、意識が上昇して、いのちの領域が拡大してゆくことが進化なんだと、人類の魂の進化の方向性を示してくれているのですが、『大祓詞』には、高天原から降下しながら、意識の質を下げ、いのちの領域を縮小しながら、ついに制限と制約の「囲い」に覆われた「人」が、地上世界に生み出されるまでの過程が描かれています。

この二者はともに、逆円錐状の「ヒトモデル」なのです。

この二者を合わせると、「ひとついのち(高天原)」から出て、再び「ひとついのち」に戻るという、人類の魂の進化過程が示されることになります。(

しかし、旧来の神道では、この「ひとついのち」に戻る過程が、復古主義(昔は良かった、憲法を改正せよ!天皇元首制復活!)になってしまいます。

それに対して、『金平糖大作戦』という進化モデルは、Uターンではなく、前進を続けながら、再び「ひとついのち(以前のものより進化した)」に戻るというもので、こういう復古主義の呪縛に囚われる弊害はありません。

このようにして、『大祓詞』の勉強から、大敬の「ヒトの逆円錐モデル」と、人類に魂の進化モデル「金平糖大作戦」は、旧来の神道の発展形であるということが分かり、とても感激しました。

後進の「魂の探求者」の皆さんが、この方向にさらに参究を続けて下されば、きっと将来、神道が世界宗教になってゆく可能性が開けてゆくでしょう。

『大祓詞』は素晴らしいもので、実は、私たちの本来の住まいであった高天原で、同志の人々(グループ魂、類魂などといいます)と相談し、役割を分担して地上に次々と降下してゆく際の様子が描かれているのだと、私には読み取れます。

この天上界(高天原)の親神(私たちを地上世界に送り出すプロジェクトの計画、主宰者)である、カムロギ、カムロミという神名に、この逆円錐のヒトモデルが暗示的に示されています。

『コトバの原典』松下井知夫、大平圭拮(東明社)のコトダマ説をもとにして解説しておきましょう。

「カムロギ・ミ」の冒頭のコトダマである『カ』は、この本によると、「無から有を生じる、目に見えぬ、万象創造のポテンシャルな場」なのだそうです。

物理学に「ポテンシャルエネルギー」というのがあって、これは「位置エネルギー」と訳されています。

重力の場合で説明しますと、高い位置にある物体を落とすと、下に落ちるほど、どんどん速度が速くなります。つまり、運動エネルギーが増加するわけです。

その運動エネルギーはどこから来たのかというと、高い位置に置かれていた物体は、潜在的にエネルギーを持っていたわけで、落ちるに従って、その位置のエネルギーが減少して、その分が運動エネルギーという、目に見えるエネルギーに変換してゆくわけです。

そのように、高天原という高い位置にいる魂は、まだ(地上世界的な)形にはなっていなくて定かではないのですが、なにやら潜在的なエネルギーがあるわけです。そんな「目に見えぬ、万象創造のポテンシャルな場」が『カ』のコトダマなんだというわけです。

たとえば、夜中に耳元でブーンブーン羽音がするのだけれど、どこにいるのか定かではない虫が「蚊(か)」ですね。

なんだかハッキリしなくて、相手に質問する時は、「・・・・ですか?」と、「か」を最後に付けて質問形としますね。 

ですから、まだ形にはなっていないが、何らかの高いエネルギーが潜んでいるようで、それが形の世界に現れようと、今や動き出さんとしている状態を示すのが、『カ』のコトダマなのです。

次は、「カムロギ・ミ」の『ム』ですね。

すべて、「マ行(マミムメモ)」のコトダマは、集中(中心に集まる)を表しています。

なぜそうなのかというと、「マ」は、唇と唇を合わせて(集めて)発音する音だからです。

たとえば、「マト(的)」は、矢をそこに集める(マ)場所(ト)ですし、「マトメル(纏める)」は、一所に集めること。「マイル(参る)」は、ある中心者(たとえば神仏)に向かって進む行為、「マツリ(祭り)」は「マ(中心者である神)」に「ツル(る=連帯する)」行為のことですね。

「マ・ミ・ム・メ・モ」列の「ム(mu)」は、「ウ(u)」行にも所属し、「ウ」行は、運動・活動のコトダマです。動詞(遊ぶ、歩く、歌うなど)の語尾は、必ず「ウ」ですね。

つまり、「カムロギ・ミ」の「ム」は、「カ」が持っていた潜在エネルギーをズーッと下降させ、凝縮集中させていって、いのちの領域の半径をドンドン小さくしてゆく変容過程を表しています。

次の『ロ』は、「制限と制約を持った個の存在を表す」コトダマなのだそうです。

「溶鉱炉(ロ)」がその説明にぴったりです。

狭い囲いの中に、生命エネルギーが凝縮されて燃え盛っています。これが、制限と制約のルールの中で、それらのルールに従いながらも、いのちを伸ばそう、進化させようとして、たくましく生きてゆく地上世界での個のいのちの状態を表しています。

はなはだ狭い制限制約の囲いの中に閉じ込められてはいますが、高天原の「カ」のポテンシャルエネルギー(高天原の神々のエネルギー)の総量が、それぞれの人の「炉(制限制約の囲い)」の内側で激しく燃え盛って使用されるのを待っているのです。

 

この『カムロ』で、逆円錐のエネルギー場が完成し、最後に、そのエネルギー場に『ミ』と『キ』が注入されて、地上での肉体を持った人が姿を現します。

まず、『ミ』は「身」です。詳しい話は、すでにどこかでお話ししたことがあるので省きますが、私たちは三つの「身」を持っていて、それは、「宇宙身(神体=あめの 身 なかぬし)」と、「霊界身(心体=たか 身 むすび)」と、「地上身(肉体=か 身 むすび)」です。

また、『キ』とは「気=意志」のことです。

これにも三つあって、まず「根本意志」で、これは、地球次元の進化達成を必ずやり遂げるぞという意志のことです。この「根本意志」は、すべての人に共通に与えられています。

次は、「役割意志」で、進化達成のために、それぞれの人に割り振られた役割遂行の意志のことです。

最後は「自由意志」で、これもそれぞれの人に与えられています。

なぜ「自由意志」が各人に与えられているのかというと、「根本意志」と「役割意志」のプログラムの通りに動くだけではロボットにすぎませんね。これでは本当の意味の学びにはなりませんし、試行錯誤が許されなければ、真の意味の魂の進化にはなりません。

失敗する自由もある、悲しんだり、怒ったりする自由もあるということが大切で、ですから「自由意志」が注入されているのです。

このように、「カ」で表されるような、無限定、無制限のエネルギーの場(高天原)に神々が集まり、議論されて、地上世界に大地という活動舞台を造り、そこに「ヒト」を降臨させようと決議されました。そして、始まったのが「カムロギ・カムロミ プロジェクト」です。

まず、無限定の「カ」の場である高天原から「ム」の過程で、エネルギーを凝縮させながら地上に降下させてゆき、「ロ」の過程で潜在的に持つ無限のエネルギー(「カ」)が漏れ出したり、爆発したりしないように「炉(ロ)」の厚い壁で閉じ込め、そこに、生長への強い根本意志を始めとする3つの意志(「キ」)と三つの身(「ミ」)を吹き込んで、地上世界に「ヒト」というものを誕生させる、これが「カムロギ・カムロミ プロジェクト」

だったのです。(完)