海外の旅 030701

ハワイ.jpg
ハワイ島への旅が近づいてから、胃が痛みだした。
6/17 4泊6日の旅に出た。
ハワイ島の精霊が拒否しているのだろうか と思った。
ハワイにはまったく関心がなかったけれど、
今も脈々とマグマが湧き立つ島ハワイ島だけには
行ってみたかった。
どんなところに泊って、どんなところに行くのか、
企画者のSさんの綿密な努力をよそに、
まったく何も計画を理解せずに、ただ仲間と
旅立てる歓びに溢れていた。
だが 胃が痛んだ。


イスラエルとヨルダンの旅行経験が検査官の気になったのだろうか、
生れて初めて入国審査に引っかかった。
30分間待たされ、尋問され、解放された。
4000メートルをこえる二つの山と、きれいな海の散歩、
そしてイルカとの遭遇がハワイ島での体験だった。
活火山のマウナロアのキラウエア火口に立つ。
雲がにわかに晴れ、日が差し、火口が顔をだした。
火口壁に女神ペレの顔が浮かんでいる。
雨が振り出し、博物館の中に入る。
たった今見たペレの顔がそっくりそこにあった。
そしてその顔のあった火口に向う。
そこでその日ホノルルからハワイ島コナへ向う
飛行機の席で隣り合ったアメリカ人の女性と4度目の出会い。
あまりの不思議さに記念写真を互いのカメラに納める。
そしてキラウエア火山の地底マグマが海へと注ぎ込む
溶岩海岸の平原を歩くこと1時間半。
1200度の溶岩がまさに絶壁を流れ落ちていた。(写真)
幸運なことに新しい溶岩流が2本吹き出す場面にも
出くわした。
帰路 撮影隊の井森さん榊原さん山瀬さんにもあえた。
(テレビの女優さんたち)
翌日は死火山であるマウナケアの頂上で星空観測。
日本の天文台スバルや世界中の天文台が並ぶ頂上。
世界一の空にふさわしい夕陽と星空だった。
そして予想しなかった最終日のクルーズ。
42人のりの船に10人のお客。
ツアーコンダクターのDさんの奥さんと娘さんも加わった。
Dさんはアメリカ生れだが日本でも生活、18歳の時
国籍の選択をアメリカにしハワイ島に移り住んだ。
コナ空港で初めてお会いした彼の目にはサングラス。
ひと目で皮膚の重い症状だった過去を連想させる。
ステロイドを続けると死を選択しなければならない状況に
追い込まれた彼は薬を捨てる。
そして温泉療法に活路を見出し、今では顔と腕を
除いては完治の状態にまでになっていた。
病に苦しむ頃、彼の奥さんは働きに働いた。
今彼の忙しそうな姿をみて、「今度はあなたが働く番よ」と
笑うとか。病をキッカケに精神の世界に目覚めたDさん。
少し前にはあの山川夫妻のハワイ島案内をしたという。
海に入ってシュノーケリング。
そしてすこし船が移動してうとうとしていると、
「イルカよ! イルカ!」と歓喜の声。
みんなが海に入り、イルカの群れに向って泳ぐ。
イルカはみんなで20頭はいただろうか。
イルカと泳ぎ、イルカウオッチング。
Dさんの奥さんもハワイ島にきて初めてという。
子供さんを船長に預けて、Dさんと一緒にイルカの群れへ。
そしてイルカと泳ぐ。
満足した皆が船に戻った。
イルカのうちの1頭がなごりおしそうに2度はねた。
歓声があがった。
「僕よりもむしろ家内のほうが」と語るDさん。
たしかにどんなに奥さん大変だったことだろう。
「またきてくださいませね。きっとですよ」
夕暮れのレストラン。夕陽がまさに沈もうとしていた。
わけもなくひとりごとのように語っていた。
「地球上の海に包まれ、イルカに癒された
あとは怒りをどう調整するかだけだね」
なぜだか涙がこみあげた。
どこへ、誰と、何をしに行くのか。
旅はそのたびに異なる顔を見せる。
ただ暖かい人々が共にいる。
ありがとうございます