拙速主義
大切なことは、一度着手した仕事は
一気呵成にやってのけるということです。
同時にまたそのためには、最初から最上の
出来映えを、という欲を出さないと
いうことです。
すなわち、仕上げはまず八十点級という
つもりで、とにかく一気に仕上げることが
大切です。
これはある意味では拙速主義と言っても
よいでしょうが、このいい意味での拙速主義
ということが、仕事の処理上、一つの秘訣と
言ってよいのです。ですからもしこの呼吸が
分からないで、へたな欲にからまって、
次つぎと期日を遅らせなどしていますと、
いよいよ気はいらだってきて、結局最後の
おちは期日が後れて、しかもその出来栄え
さえも、不結果に終わるということになりましょう。
大体以上のようなことが、仕事の処理上の
こつであり秘訣と言ってよいでしょう。
しかしその根本は、どこまでの仕事を
次々と処理していって、絶対に溜めぬ
ところに、自己鍛錬としての修養の
目標があるということを、深く自覚することです。