私の履歴書

今朝日経を見ていた。
末の娘が仕事に必要だからと
4月から我が家に来ている新聞。
あるからいつも見てしまう。
そして何気なくがほとんどの読み物の
見方になっている。
今日は囲み記事の「私の履歴書」が
注意を惹かれた文字さんたちだった。


遠藤 実さん第一回「5歳の頃」。
読む前からなんだか心がザワザワしている。
なんと間違えて「影を慕いて」の古賀さんと
思ってしまった。
遠藤さんは千昌夫さん、森進一さんをはじめとする
日本歌謡会の代表選手たちの作曲をほとんど
手がけた人。
幼少の頃の極貧の時代をふりかえる。
父母と兄と妹と自分の5人家族が、
電気を止められた家の食卓をろうそくの灯で囲む。
ただ黙々と貧しい食事をする家族。
2歳の妹の笑い声に時には家族がほほえむのだが、
終始無言。
実5歳の日のことだ。
父親が「おまつり行こうか」って言う。
ニッコリ嬉しい子供達。
おまつりの賑わい。
戦後のお祭り。
賑やかに酒を飲み交わす威勢のよい大人たちの
縁戚をじっと見つめる父。
実は父がどんなにその酒をほしかったのかと
感じる。
今で言う廃品回収業の父について、リヤカーに
のって行く。
廃品を求める父の呼びかけ声に、5歳の少年は
なんともいえない父の心を知ってか、
遠くにいる父を呼びながらかけ寄ってゆく。
大好きな唄「星影のワルツ」は実さんの作曲だと知った。
唄のようなエッセイ。
遠い記憶は、偉大な作曲家を生んだわけを
語っている。