随想 伊路波村から~うさぎの鳴き声 041224

23日午前8時、まみちゃんが上から泣きながら
降りてきた。上下2階の我が家。
「死んじゃう!」

うさぎのモナカのことだった。
上に見に行った。
モナカはまみちゃんの腕にだかれて、
虫の息。

しばらく様子を見ていると、
「クイーッ クイーッ」と2回鳴いた。
うさぎの声を生まれて初めて聴いた。
「クイーッ」ともう一回鳴いた。

身体は自然に硬直していっていた。
「もう寿命だよ」って言うと。
「まだ死んでない!」とまみちゃん。

CDケースくらいの大きさから育てて7年目だから、
ほんとに可愛かったんだろう。

しかも黒いショコラと茶色のこのモナカは兄弟で、
モナカは無料でいただいてきたらしい。
母親に片方の耳をかじられ、のどもとも
かまれていたという。
それを医者に連れて行って、縫ってもらって治した。
生命力がないと本能的に母親はわかったんだろうか。

それから6年間以上も生きてきたモナカ。
最近では忙しくて面倒はもっぱら
おじいちゃんとおばあちゃんの仕事。
ひまごみたいだねって言ってた。

「ウサギが鳴くときは、死ぬときだよ。」
博士の貴央、つぶやく。

騒動から1時間後、モナカは息をひきとった。
もうまみちゃんの目ははれてしまった。
それからもうさぎを離そうともせず、
泣きっ放し。
むかし大切にしていたかたつむりを
落としてしまって死んじゃったときと
同じだとお母さん。
これで2度目のお別れだ。

あんまり離さないものだから、お経をあげるからと言うと、
横に寝かせた。

線香の香り。般若心経。
となえ終わると、モナカがピクッと動いた気がした。

それから「TAO]をモナカと一緒にみんなで聴いた。
兄弟真っ黒うさぎのショコラも一緒。

動物霊園に連れて行く前にひろくんがつぶやく。
「今日は23日、やっぱり23という数字です。
モナカは何を教えてくれたんだろうか。」

インディーズデヴューが今年の1月23日。
プライナスはこの1年間でさまざまな体験をした。
自由に純粋に音楽で生きたい彼らも、
生きるということを考えざるをえないできごとに
さまざま遭った。

口から言葉がひろくんに向かってでていた。
「今月の御天画にねのってたの、
真ん中の丸の中、分離したのがこの世。
巴紋。男と女、上と下、善と悪、みんな二つ。

だけれどそれが小さくなって三つ巴になってたの。
三位一体。すべてを許し認める。善も悪も、上も下もない
そんな時がきているみたいだね。」

ひろくんもまみちゃんも泣いていた。

「暮れになって、いろんなことが重なりました。
今までの生き方ではやっぱりだめなのかって、
考え直そうとおもってもみました。

だけど今日23日、モナカが死をもって
教えてくれました。
吹っ切れました。」
ひろくんは何かを大きく感じていた。
夕方にはおじいちゃんが口内出血。
救急病院へ。

歯医者での治療部分からの出血が、
サラサラ血液にする薬の服用のおかげで、
止まらなかったようす。

「無から1を生じ1は2を生み2は3を生む。
3は無に帰し1を生ずる。老子。」
再びの博士貴央。

騒がしい学びの暮れのできごと。

たくさんを残してモナカは旅立った。