「突然消えるユダヤ民族」 奥の院通信 R3 4/10

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20世紀初めに、アメリカ合衆国にロシアや東欧から襲来したユダヤ人が突然消える。その時の事情を見ると、1909年にアメリカ合衆国で開かれた、ある公聴会が興味深い。この公聴会では共和党のラフォレット上院議員が議長を務めた。この公聴会で、グッゲンハイム上院議員が「ユダヤ人とは、宗教上の一宗派をなす構成員の名称であり、民族ではない」と主張した。(彼はユダヤ民族なるものは存在しない、彼らは一宗教を信ずる宗教集団であり、民族ではないという。)

 この時の議論では次の遣り取りがあった。

ラフォレット議長:私は、広く民俗学的見地から、個人がどの民族で、どの血脈なのか、知る必要があると思いますが。

グッゲンハイム上院議員:宗教を聞けば良いではないですか。

 ここで、マッカンバー上院議員とベイリー上院議員が、「ユダヤ」とは宗教上の区別であり、民族ではないというグッゲンハイムの意見に賛同した。事前に打ち合わせ済みであったようだ。

続いて、

ラフォレット議長:グッゲンハイム上院議員、それはこの問題に対する反論としては認められません。個人がどの民族に属しているかを正確に記録することに対する反論をお聞かせ下さい。

グッゲンハイム上院議員:そう仰られても、正しくないからです。ユダヤは民族ではありません。

 更に公聴会が進むと、ベイリー上院議員とカミン上院議員も、ユダヤ寄りの発言に加わった。

ベイリー上院議員:もし私がヘブライ人であり、ここ(アメリカ)で生まれたとしても、(調査員は)私に自分自身を、アメリカ人ではない別の何者かであり、調査員であるアメリカ人とは違う、と言わせたいのでしょう。

カミン上院議員:私は何ら躊躇なく自分の血脈を言えます。

ベイリー上院議員:私もそうです。しかし、私が言いたいのは、宗教の問題だと言うことです。

グッゲンハイム上院議員:そうです。これは宗教の問題です。(ここでユダヤ民族なるものは存在しないことになり、突然消えた。)

 この議論が交わされたのは、1909年4月のことであるが、この年の12月には、サイモン・ウルフが親ユダヤ派の主な証言者となった。彼は、リンカーンの時代から、アメリカ合衆国の首都ワシントンDCでユダヤのロビーストとして活躍し、第17代大統領リンカーンから第28代大統領ウィルソンに至るまでの、全ての大統領に通じていた。彼が証言した公聴会では、ディリングハム上院議員が議長を務め、ロッジ上院議員が積極的に議論を進め、問題点を鮮明にした。

 既述の通り1909年12月には、サイモン・ウルフが親ユダヤ派の主な証言者となっているが、彼は、極めて興味深い人間である。リンカーン時代以前から、米国の首都でユダヤのロビーストとして活動し、リンカーンからウィルソンに至るまで全ての大統領に通じて影響力を行使していた。この間は、リンカーンが暗殺された1865年のアンドリュー・ジョンソン就任から、1913年のウッドロー・ウィルソン大統領誕生まで、何と48年間でおよそ半世紀に亘った。

 それは、アンドリュー・ジョンソン、ユリシーズ・グラント、ラザフォード・ヘイズ、ジェームズ・ガーフィールド、チェスター・アーサー、スティーブン・クリーブランド、ベンジャミン・ハリソン、スティーブン・クリーブランド、ウィリアム・マッキンリー、セオドア・ルーズベルト、ウィリアム・タフト、ウッドロー・ウィルソンで11人12代に亘っている。

 このサイモン・ウルフがリンカーンが暗殺された1865年からウィルソン大統領誕生までの半世紀、ユダヤロビーとして、アメリカ合衆国の大統領11人誕生に関わっていたと言うことは、謂わば彼はアメリカ大統領選びの陰のキングメーカーであったということになる。姿を現さない奥の院の大物であったと言うことが容易に想像できる。しかし、彼は歴史には全く出てこない。これが奥の院の奥の院たる所以である。

 スティーブン・クリーブランドは2度大統領を務めている。そしてこの間、ジェームズ・ガーフィールドは就任後半年で暗殺された。彼の後は副大統領のチェスター・アーサーが残り任期を勤めている。これは、後のケネディ大統領のあとを受け残り任期をリンドン・ジョンソン大統領が勤めたのも同じパターンであった。

 ウルフが証言した公聴会では、ディリングハム上院議員が議長を務め、ロッジ上院議員が積極的に議論を進め、問題点を浮かび上がらせた。その時の公聴会の趣旨と議論を完全に再現した抜粋は、長くなるので明日の通信に譲る。