致知出版社 一日一話 読めば心が熱くなる・・ 第二弾 1 「人間は何でこの世に生まれてくるか知っているか」

「人間は何でこの世に生まれてくるか知っているか」

西端春枝 真宗大谷派浄信寺副住職

 一燈園の三上和志先生は警察関係の病院に招かれて入院中の人々や職員に話をされました。院長室に戻ると院長がお礼を述べた後に「実は余命十日の十八歳の卯一という少年がいます。不幸な環境で育ったこともあり、暴言を吐き皆に嫌われています。しかも開放性の結核なので一人隔離されて病室にいるのですが、せめて先ほどのようなお話を十分でも二十分でもしてやってもらえませんか」とお願いされました。二人は少年の部屋に入ります。院長はマスクにガウンの完全防御、三上先生は粗末な作務衣のままです。卯一は院長が「気分はどうか」と声を掛けても「うるせえ」と地の底からの声を出し相手にしようとしません。二人が諦めて部屋を出ようとした時、卯一と三上先生の眼が合うんですね。その目は燃えるような人恋しい、孤独のどん底にいる目でした。先生は病気が感染することを覚悟で卯一を一晩看病させてほしいと頼みます。三上先生は荒れ狂っていた卯一をなだめながら骨と皮ばかりになった足をさすり始めました。やがて卯一は自分が生まれる前に父親が逃げたこと、母親は産後すぐに亡くなったこと、神社で寝ては賽銭を盗んで食い繋ぐ生活を続けてきたことなどを離し始めるんです。そして一晩中足をさすり続ける先生に「おっさんの手、お母さんみたいやな」と言うんですね。
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吉田松陰 「覚悟の磨き方」 池田 貴将 著 37

嫌な人は鏡

愛されようとするのではなく、
こちらから愛しましょう。
尊重してもらおうとするのではなく、
こちらから尊重しましょう。

誰かが横暴な態度をとってきたら、
「何か失礼なことをしてしまっているんだろうか」
と自分の心に聞きましょう。
もし心当たりがなかったなら、
「何か身勝手なことをしてしまっているんだろうか」
と自分の心に聞きましょう。

ここまでは、やろうと思えばできることです。
いくら自分の態度を思い返しても、
自分に否がないと確信したとき、
急に相手が許せなくなるものです。
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致知出版社 一日一話 読めば心が熱くなる・・ 第二弾 2 「これぞ、新潟展」

内田 勝規 東急百貨店池袋店 販売推進部 催事部 催事企画担当
      エグゼクティブバイヤー 

 新潟の物産展を行う際に目をつけたのが、当時も幻の銘酒といわれた八海酒造の「八海山」です。僕はこのお酒をなんとか出品してもらおうと会社について詳しく調査をしたんですね。すると昔、業績が悪化し、金融関係からことごとくそっぽを向かれた時期のあることが分かりました。僕はこの時、誰が支援したのかを調べ、遂にその人物を突き止めました。そして彼に一緒に新潟までついてきてもらったです。

 会長の南雲和雄さんに会うと「あんたらの希望は何だ」と聞くから、僕は「八海山を三千本出してください」と言いました。これには向こうも一瞬息を呑んだんですが、分かったと約束してくれたんですよ。
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