いのちの実相 17

H先生は差し出された「念書」を念入りに読みました。
念書には、セカンドオピニオンのことは一切触れず、
以前の処方で効果が著しくあったものとして薬の名前を上げました。
気分調整剤としてのリーマスとデパケン
向精神薬としてのジプレキサとリスパダール
そして睡眠剤としての候補です。
先生は快諾してくださいました。
誠意を尽くして念書をしたためたこともありましたが、
何よりそれ以前の一年間の服薬と症状の月ごとの報告が
承認の理由となったようでした。
赦していただけたことに、とても感謝しました。
平成20年5月末から新しいチャレンジが始まりました。
そして一年をかけてまず睡眠薬を断ちました。
3年をかけて気分調整剤一日一錠(200MG)とリスパダール1/4錠にまで
減薬しました。(1/4錠はピルカッターという器具で切ります)
減薬の途中、娘には強いPMS(月経前症候群)があることに
気づきました。
くじら先生に相談したところ、それには漢方薬がいいということで、
当時千葉県牛久にあった内海聡先生を紹介されました。
内海先生も当時はネットで無料相談を受けていたのです。
内海先生は快く相談に乗ってくださいました。
そして娘のPMSには「甘麦大棗湯」(かんばくだいそうとう)がいいでしょうと
処方されました。
その「甘麦大棗湯」が娘にはぴったりあったのです。
イライラと怒り出します、服薬すると15分後にはピッタリとおだやかになるのです。
あまりの効果にびっくりしました。
そして便秘薬のことやさまざまなことに内海先生にはとても
お世話になりました。
ちょっと患者には厳しい先生でしたが、その後ネットはその過激さゆえか
閉鎖され、診療所も牛久から東京へと移られたようです。
何かの参考になればと、娘の薬効については最初の先生の著書に
掲載することを承諾させていただきました。
娘には内緒でしたが、今ばれました。(笑)
きっと笑っていることでしょう。
内海聡 著 「精神科は今日も、やりたい放題」がその本の題名です。


多くの先生方や介護の方たちそして訪問介護士のみなさんの
助けを借りて、娘はまさに普通の女性として蘇ったかに見えました。
ただ車椅子生活で、杖で400Mほどを連続して歩けるのみでした。
それでも元気に生活し、希望でもあった「さおりおり」の施設にも
喜んで通い続けたのです。
月に一度のPMSの症状をのぞけば、独り立ちも可能に
思えました。
そして3年が経過しおだやかな日々が続いていました。
「もっとよくなったら、くじら先生に会いに行こうね。」
が 合言葉でした。
平成24年10月、急におなかが痛いといい出しました。
産婦人科に行きましたが、不明なので、いつもの整形外科の病院で
内科の検診を受けました。
そこではちょっと分からないということでした。
その病院の紹介でK病院(二度落ちてお世話になった病院)で
精密検査を受けることになりました。
そこでレベル4の直腸がんと診断されたのです。