「ポール・ラシニエ」奥之院通信 R3 6/14

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ラシニエはフランスの歴史家であるが、ユダヤ人絶滅研究にもっとも貢献した学者の一人である。彼はドイツの強制収容所で実際に生活した経験を持ち、また社会主義者の知識人であった。その上、彼は汎ナチスの運動家でもあった。その意味では彼はナチスを擁護する動機は全く持たない。しかし、彼は正義を愛し、歴史的真実を明らかにするために、1966年に死去するまで、戦後の命を燃やし続けた。真摯に調査を続け、遂には600万神話とナチス悪魔伝説の両方を否定したのである。

 ラシニエは1933年から1943年まで、フランス東部のブザンソン大学ベルフォード校で、歴史学教授を務めた。戦時中はナチスに対するレジスタンス活動に従事し、最後は1943年10月30日、ゲシュタポに逮捕され、ブッヘンワルド(ソ連の占領地域)とドラ(パリ北東のドランシー)の強制収容所にいた。そして、戦争末期にブッヘンワルドでチブスに感染し、教授の仕事を続けることが出来なくなった。

 そして、戦後になって、ラシニエ教授は、「レジスタンス勲章」と「フランス再興賞」を授与されて、フランス下院議員に選出された。しかし、1946年には共産主義者によって下院議員の地位を追われた。その後、彼はドイツでの残酷伝説、特にユダヤ人絶滅問題解明という偉大な仕事に取りかかる。しかし、彼の著作はほとんど知られていない。奥の院・ディープステートにとって都合の悪い著作は、決して取り上げられることはない。

 フランス語からの翻訳本は極めて少なく、英語訳の本は1冊も出ていない。彼の作品で最も重要なものは『オデッセウスの嘘』であり、これは彼自身の体験に基づいた、強制収容所の生活条件の調査であった。

 更に、続編の『部下に裏切られたオデッセウス』では、強制収容所を巡っての宣伝家の詐欺行為を論駁している。特に注目すべきは、最後に出た『真実のアイヒマン裁判』と『ヨーロッパユダヤ人のドラマ』である。この中で、彼は、綿密な統計的分析でユダヤ人の運命に関する不正直で歪曲された事実を暴露している。

 これら作品を通じて、絶滅伝説の政治的且つ経済的異議を検討し、イスラエルや共産主義者たちが、この伝説に利用されていることを分析している。全て、ドイツ悪者神話の論破であった。パルチザンの宣伝という見えない霧の中、いかに歴史的真実が抹殺されたかを暴露している。

 1960年、彼は広い範囲に及ぶ地域への講演旅行を行ったが、そこで彼が聴衆に強調したのは「今や絶滅神話についての真実の再誕生の時期であり、その虐殺仮説が世界の目から見て、ドイツについての不当な打撃になってきた以上、ドイツ人自身が真実の再誕生を実現せねばならない。」と言うことであった。

 反ナチの運動家であったラシニエ教授が積極的にユダヤ人虐殺神話の虚構を訴えてドイツ各地で講演旅行をしていることで、奥の院・ディープステートは何とかしなければということになった。しかも、教授はドイツ人ではなくフランス人であるだけに、都合が悪かった。しかも、フランス国会議員でもあったのでなおさらである。この議員資格は、共産主義者たちが追放という手段で剥奪したが、それでも教授の存在感は消せなかった。

 そこで、戦後も半世紀過ぎた1994年、「ホロコースト否定」には刑事罰が科されるようになった。もっと早くにこの刑事罰が科されるようになっていれば、このラシニエ教授はとっくに逮捕され、この世の中から抹殺されていた。

 いずれにしても、ラシニエ教授は既に鬼籍に入っているので、後は彼の著作の焚書が行われている。フランス語の原本からの翻訳本はほとんど出されていないという。「ホロコースト」と言う嘘物語は、これから消えていくのか、益々強化され、真実の歴史として定着していくのかは、この刑事罰が続くかどうかにかかっている。要するに、この「ホロコースト」と命名した嘘物語が、いかに長く続くか、またいかに世界中で広く喧伝されるかが彼らにとっては重要なのである。

 イエスキリストは、ユダヤ人のことを「善を悪となし、悪を善となす」と言ったが、この「ホロコースト」問題もその典型例の一つである。今のところ、ドイツ人はこの問題はドイツ人の問題ではなく、かつてドイツを席巻した「悪のナチス」の問題であると逃げている。いつまでドイツはこの方針を貫くのかは分からない。