「歴史の中断」奥之院通信 R3 6/21

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インドの古い叙事詩「マハーバーラタ」は、紀元前数千年もの昔に起きた戦争の様子を伝えている。今から数千年もの前に行われた戦争の描写である。こんな昔に、剣や弓矢の戦争ではなく、恐ろしい兵器(核兵器)が使用されたようで、その時の様子を、このインドの叙事詩「マハーバーラタ」が伝えているのである。

 「その時、英雄アスワタマンは自らのヴィマナ(空飛ぶ戦車)に断固とどまり、水面に降りたって、神々すら抵抗しがたいアグネアの武器(後に改めて説明)を発射した。神殿修道騎士団長の息子は、全ての敵に狙いを付け、煙を伴わぬ火を放つ。きらきら輝く光の武器を四方に浴びせかけた」

 「矢の雨が空に放たれた。その矢の束は、輝く流れ星のように落下し、光となって敵を包んだ。突然、暗い闇がバンタヴァの軍勢を覆った。そのため、敵は方向感覚さえ失ってしまった。恐ろしい風が吹き始めた。戦獣(戦闘用の象)は恐れおののき、鳥たちが騒ぐ。空に雲がうなり、血となって降り注ぐ。自然の秩序がかき乱されたようだ。」

 「太陽は揺れ動く。宇宙は焼け焦げ、異常な熱を発している。象たちはあの武器のエネルギーに焼かれ、炎から逃れ出るべく、恐怖にあえぎながら駆け回った。水は蒸発し、その中に棲む生き物も焼けてしまった。」

 「あらゆる角度から燃える矢の雨が、激しい風と共に降り注ぐ。雷よりも激烈に爆発したこの武器に、敵の戦士たちは猛火に焼かれ、木々のように斃れた。この武器に焼かれた巨大な象たちは、脅威

に狂ったように、水を求めて辺りを駆け回った。」

 以上とは時代と場所が変わって、これはある中学校女子生徒の作文である。

 「電車に乗っていたら、突然ピカッと閃光が走って、その閃光に目が眩み、周囲は毒ガスのような黄色い、もうもうたる煙に覆われた。瞬間、辺りは真っ暗となり、一寸先も見えないドドーンという鈍いが大きな轟音がして、口の中は砂を食べたようにざらざらして、喉が痛い。そのうち、辺りがうっすらと見え始め、私は必死になって市電の扉を引っ張ったけど一向に開かない。薄闇に透かしてみると電信柱が横たわり、電線は切れて垂れ下がっている。ふと周りを見ると電車の中は私一人で、後ろの扉が開いており、乗客は皆そこから出てしまったらしく誰もいない。

 電線は鉄条網のように地面に散乱し、福屋(デパート)の内部からは、赤い炎がめらめらと燃え上がっている。障害物をくぐり抜けて道路へ出た私は、二歳ほどの子供が血だるまになって、もがき苦しみながら、母を求め呼ぶ姿が目にとまった。その時自分の母の面影が頭に浮かんだ。帰ろうと東の空を眺めると、真っ黒の巨大な入道雲がわき上がっていた。ひょっと自分の体を見ると、手に持っていた袋がない。履いていた下駄もない。ただ一つ、救急袋が肩からぶら下がっているだけだ。

 子供の泣き声、家屋の崩れる音、男女の怒号、眼前に見るのは真っ赤な血の色、放心したような顔つきでノロノロと歩く人の群れ、どこに行こうかと思いながら皆の行く方向へついて走った。西練兵場を通って、どこをどう通ったか、泉邸裏の川岸に出ていた。

 暫くすると両岸の家が燃えだした。向こう岸の砂浜まで泳いで渡ると、張り詰めた心が緩んだのか、その場に斃れてしまった。その時、強い風が吹き始め、墨のような雨が降り始めた。その奇妙な雨は、体に当たると石ころで叩かれたように痛い。そのうち夕立のような雨が酷くなり、その間、火の粉も飛んできた。水際に行こうと思って立ち上がったら強風にまた吹き倒された。その熱さ、痛さで我慢できなくなり、どうにか水のあるところまで行こうと立ち上がった拍子に、体がもう一度熱風に吹き飛ばされた。あの時のことをどうして書き表すことが出来ようか」(『原爆の子』桑原洋子)と書き残している。

 彼女は昭和20年8月6日、広島の爆心地から1キロのところで被爆した。幸い市電の中にいたために、直接放射線を浴びなかったのである。数千年前にインドで起きた戦争と同じ戦争を、奥の院が日本に対し、突然予告もなく行ったのであった。インドでは叙事詩の形で、その時の大虐殺の様子を伝えているが、広島ではこの少女の描写などが残され、全く同じ現象を書き残している。

 このような核戦争が、また起きようとしている。奥の院は自分たちだけ生き残る準備をして、その準備が整ったところで起こすのであろう。「マハーバーラタ」の描く核戦争も、当時の奥の院が起こしたのであろう。当時も、世界中で核シェルターが造られている。その現実をこれから折に触れ書いていく。現在盛んに核シェルター(巨大な地下室・地下施設)が造られていることは、彼らが核戦争を起こそうとしている証拠かも知れない。