ラマナ・マハルシとの対話より 31ー5 この集中は・・

・・・つづき

 この集中は聖典の中でサンヤマナ(自己抑制)と呼ばれています。人の欲望はこの過程を通して満たされるのです。。それはシッディー(超自然力)と呼ばれています。これがいわゆる新発を起こす方法です。この方法によれば、世界を創造することさえできます。サンヤマナはあらゆるシッディへと導きます、しかし自我が生き残っている間、それらが顕現することはありません。ヨーガによる精神集中は体験者(自我)体験、そして世界の破壊をもたらします。この集中は個人に新しい世界を創造する力を与えます。そのとき、かって存在していた欲望は、気が熟すとともに満たされるのです。この集中は個人に新しい世界を創造する力さえ与えます。
 そのような能力を所有しない者たちにとって、それは素晴らしいものにみえるでしょう。それでも、それは一時的なはかないものでしかありません。はかない物事を追い求めるのは無益なことです。この世のありとあらゆる不思議は一なる存在である不変の真我の中に含まれているからです。それゆえ、世界は内側にあり、外側にあるのではないのです。この意味については「シュリー・ラマナ・ギーター」の第五章十一節と十二節に述べられています。

「2」「シュリー・ラマナ・ギーター」の第五章十一節と十二節

全宇宙は身体の中に存在し、全身体はハートの中に存在する。
それゆえ、全宇宙はハートの中に包含されている。(第十一節)
宇宙は心外の何ものでもない。心はハート以外の何ものでもない。
それゆえ、全宇宙で起る物話は、すべてハートの中で完結する(十二節)
全宇宙は身体の中に凝縮され、全身体はハートの中に含まれている。
それゆえ、ハートは宇宙の核心である。

 
それゆえ、サンヤマナ(自己抑制)とは、さまざまなシッディ(超自然能力)を得るために、身体の異なった部分に集中することなのです。またヴィシュヴァ(個人の粗大身)あるいはヴィラート(粗大な存在の全体性)は、身体と言う限定された領域の中に宇宙を含んでいると言われています。

 世界は心以外の何ものでもなく、心はハート以外の何ものでもない。
それが全真理である。

それゆえ、ハートはすべてを包含しているのです。これがバンヤンの木の種の説明によってシェヴェータケートゥに与えられた教えです。