奥の院通信から R4 9/6  「苦境に立つプーチン」

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 一昨年2020年末の米大統領選挙の頃から、一年あまりの間「DS(ディープステート)」やら「Qアノン」やら「新秩序(ニュー・ワールド・オーダー)」や「ネオコン(新保守主義)」その他の、普段それまでは聞き慣れない政治的且つ社会的な概念が生まれ、これらが世界的に使用されるようになった。

 しかもこれらが、世界全体を支配しているとの確信を持つ人々が増えている。増えているというよりも、最早それが現代の裏世論の過半を占めていると言うべきなのかも知れない。こうした裏世界の実在への確信は「陰謀論」と言われている。そしてアメリカにこの陰謀ありと信じる者は、常識ある人と言われる人々からは、「陰謀論者」として非難・糾弾される。

 ところが、陰謀論者と言われる人たちのうち一人もアメリカの陰謀計画に参加した者はいない。近代の世界的な陰謀には殆どユダヤ人が関わっているから、陰謀論者は総じて反ユダヤであり、反ユダヤ主義者(antisemitic)である。これは仕方のないことである。

 この陰謀論を肯定する人々(別に反ユダヤ主義者だと自らを思っていないが)は、常識家を自認する人たち(陰謀論を否定する一派)を、世界の複雑さを何も知らぬ人々だと蔑む。逆に否定派は肯定派に対して、「陰謀、陰謀と言うが、その実在は架空であって、誰の肉眼にも見えないではないか」と批判し軽蔑する。何の夢を見ているのかと叱る。ここには恐るべき対立がある。

 そして不可解な出来事、ことに政治的事件を見ては、肯定派は「あの裏側には陰謀がある」と、みなで言い合う。否定派はそれを見て、「またまたバカなことを言っている。どこに証拠がある?何も肉眼では見えないではないか?」と嘲笑する。

 この争いは止むことはない。特に今年2022年2月24日から始まったロシアのウクライナ侵攻から、陰謀論の揣摩憶測が幅をきかせている。だが陰謀論派は、「2014年のロシアのクリミア半島併合以降に、西側はNATOに参加していないウクライナに密かに軍事力を付けさせ、ウクライナ兵に対し軍事訓練を施し、いろいろと対ロシアへの西側からの攻撃準備をしていた」ことを暴露した。

 それだけではない、ネオコン中心の西側は、究極的には「ロシア(スラブ)を滅ぼして仕舞いたい」との最終目的があると論者は言う。NATOの東方への無限拡大を批判する動きはあった。これはネオコン批判でもあった。

 この動きはニュー・ワールド・オーダー樹立であって、その世界統一政府のヘゲモニー(支配)は、アメリカのユダヤ人金融屋が担うという構図である。この運動はネオコンの運動で、その裏部隊(当に陰謀集団だが)にはあの富豪ジョージ・ソロスを初めとするユダヤ金融業界が控えており、彼らが中立でなければならないウクライナを扇動して、密かに軍備を持たせてきたと言う。

 このNATOの東方への無限拡大を批判する動きはあった。戦前の中ソ米大使を勤め、「冷戦」なる言葉を発明したジョージ・ケナンなどが、「やっては拙いことだ」と注意してきたが、その禁止勧告事項をここ10年ほど、NATOがと言うよりも、アメリカがやり続けてきた。

 NATOは旧ソ連を中心とした東側諸国に対する軍事同盟であるから、これに対して東側はワルシャワ条約機構を作って対抗していた。ソ連が解体された時に、NATOは東方拡大はしないとの約束がなされた。ところが、実際にソ連圏が消滅し、ロシアは単独で一共和国を形成することになったら、NATOは加盟国を増やし、ロシア包囲網を形成することになった。

 そして遂にここに来て、ウクライナがこのNATOに加盟するというのである。ロシアのプーチンが怒って立ち上がるのも無理はない。そうしなければロシアは潰されるからである。まさに、プーチンにとっては最大の危機を迎えたのである。差し迫った安全保障問題を抱えたのである。ディープステートがプーチンをそこに追い込んだのであるから、この紛争はNATO側に終わらせるかどうかの決定権がある。ロシアのプーチン側にはない。その意味では80年前の日本と同じ立場に立った。