奥の院通信から R4 9/7 「ロシアのオルガルヒ幹部不審死」

https://okunoin.fc2.net/blog-entry-1062.html

 9月1日(木)、ロシア第2位の石油大手会社ルクオイルの会長ラビル・マガノフ氏(67歳)が不審死した。入院先の病院の窓から転落死したのである。同じこのルクオイルでは、この5月に会社幹部のアレクサンドル・スボティン氏がシャーマン(霊能者)の自宅の地下で、不可解な死を遂げている。

 4月18日(月)にはロシア大手銀行ガスプロムバンク元副社長ウラジスラフ・アバエフ氏がモスクワ市内の自宅で妻と娘と共に自殺した。
 また、翌日4月19日(火))には、ロシア天然ガス大手ノバテク社元副会長セルゲイ・プロトセーニャ氏がスペインのリゾート地で、妻と娘と共に死体で発見された。地元警察ではプロトセーニャ氏が家族を殺害したあと、自分も自殺した可能性があると報じている。

 今年になってからも、ロシアでは他にもこのような大物ビジネスマンが相次いで不審死している。
 プーチンがウクライナ侵攻後の事件であり、そこにはロシア国内のディープステートとプーチン大統領の確執が感じられる。彼らはいずれもオルガルヒの幹部であり、しかも石油・天然ガス会社の幹部たちである。

 3月にはロシア人元実業家のニコライ・グルシュコフ氏(68歳)が、英国ロンドンの自宅で不審死を遂げている。彼は反プーチンだった故ボリス・ベレゾフスキーと繋がりの深い人物であった。イギリス政府は過去において不審死したロシアの複数の幹部を調査すると発表している。

 先日死去したゴルバチョフが旧ソ連邦を解体し、旧ソ連圏はロシアを筆頭に、多くの共和国に分裂した。その後、エリツィン大統領がロシアの国有企業の石油・天然ガス会社を民営化し、それを西側のディープステート企業に安価な値段で売り飛ばした。そしてこれらの企業を取得したディープステートは大儲けしたのであるが、この連中のことをオルガルヒと呼んでいる。

 ところが、プーチンが大統領になってから、これらオルガルヒはロシアに取り戻されたり、ロシアにとっての売国的ビジネスが出来なくなっていた。オルガルヒの幹部たちは、ロシア政府に忠誠を尽くすか、ディープステートの指示に従うかの板挟み状態に陥った。その結果が最近になっての一連の悲劇を思わせる。

 今年に入って2月にプーチンがウクライナに軍事侵攻したが、ここから西側ディープステートはロシアに対する締め付けを開始した。そして、最近ではプーチンが石油・天然ガスのヨーロッパに対する供給を絞り始めた。ヨーロッパのNATO諸国が軍事的締め付けを強め、ウクライナ支援に回ったからである。

 アメリカ主導でNATOを中心として、ロシア締め付けを行っているのであるが、これに対しプーチンは石油・天然ガスの供給削減で対抗している。ヨーロッパではこの影響でエネルギー価格が暴騰し、今年の冬に向かってエネルギー供給が激減する可能性が高い。

 アメリカはロシアからの石油・天然ガスの供給がなくても構わないが、ヨーロッパは事情が違う。エネルギー供給はロシアからの石油・天然ガス供給に依存している。欧州連合もNATO諸国の結束も破綻する可能性が出てきた。ヨーロッパ諸国では主要都市で反政府デモが頻発し始めた。

 今回のエネルギー危機は、ロシアのウクライナ軍事侵攻に対して、ロシア制裁を強めている欧州諸国が自ら引き起こした危機である。被害者は欧州諸国の市民であるから、彼らはそれぞれの政府のロシア制裁に異を唱えてデモを始めた。ディープステートは自分たちの都合だけ考えて反ロシア政策、反プーチン政策を実施しているのであるから、当然の成り行きとも言える。

 ディープステートはウクライナのロシア系住民虐殺を実施し、ロシアのプーチンを挑発しウクライナに軍事侵攻させた。これに対し、ディープステートはウクライナを助けよと各国に呼びかけ、ウクライナに軍事支援を行わせ、ロシアからは石油・天然ガスを買うなと指導してきた。

 そこでプーチンは遂に9月5日、ノルドストリームを通じたガスの供給を停止した。いよいよエネルギー危機が現実化しそうで、この冬が越せるのかどうか不安になり、ヨーロッパ諸国の都市で起きたデモが激化してきた。ワルはディープステートで、被害者はヨーロッパ諸国の市民であるという構図ははっきりしてきた。ロシアのウクライナに対する軍事侵攻の真相も次第に明らかになるであろう。