完全な闇

夕方でかけようと車に乗った。
いえの前の「三蔵通」を西に向かう。
夕暮れ時。
傾いた夕陽がビルのガラスに反射して、
雲の間からのひかりを映す。
ふたつの光。
輝く地上。
車のCDからは外国の旋律が流れ、
心はうつろとなる。
まったき闇の中にいたい。
そしてまったき光を感じたい。
あの頃のように。
なぜか忘れてしまった自分がいる。
悲しいほど小さな自分。
そしていやになる言葉が口をつき、
とらわれた心はおおいなるものを
寄せ付けない。
日常の哀れか。