随想 伊路波村から29~壮大ないのちのドラマ

世の中の毎日の変化が 映画に行く必要もないほどの
感動や ふるえや 楽しみを与えてくれる。

お金の世界や 食べ物の薬物のこと 物の生産や
医療のこと。 教育のことや政治行政のこと。

事業者の集約化や 事業の売却のこと。
宇宙のお話や 陰謀や 科学技術の革新。
戦争 宗教 対立。

そしてなにより いのちのかがやき。

ある日 ある駐車場で 車の右前タイヤのすぐそばを
7~8センチの何かの幼虫が じりじりと這っていた。
そのまま車を動かすと まちがいなくつぶれるので
移動させなくてはと 車内にあったきのういただいた
たこやき用の長い串を二本 駆使した。(笑)

幼虫を近くの土のあるところへ 移動して安心。
それから家へ戻る。

家の近くで信号待ち。
20メートルほど離れたところの
100円パーキングの車の出入り口で
ああ あの鳩の子どもが・・・・。

私は老眼 最近は乱視も入って 遠くもぼんやり。

でも ああ・・・あれはとわかってしまった。
昨日家の前の巣から落ちて ウロウロしていたのを
抱えて 巣まで戻したのだけれど。
まだその時のぬくもりが手にある。

血を内臓をなんとも思わぬ気丈な家内。
おろおろ悲しい私。

冷たく無残に破壊された ペシャンコのあの
子どもを紙に包んで 街路樹の根元の土に埋める。
きのう確かにあの子の ぬくもりをこの手で
感じたのだから 死はとてもリアルだ。

ひとつ助け ひとつ葬る。

今日あることを ありがたいと思う。

そして なるべく大切にしたいとも思うのだ。