今年のお客さまとの集いを四月にクラウンホテルで
開催した。
懇親会でお客さまにお酒を注ぎまわった時、
ずいぶんとお客さまが年を取られたと感じた。
歯がほとんど抜け落ちてない方。
この方は、こちらより年齢がお若いはず。
それと社員さんにも一人、同じように
歯がなくて入れないままの方がいる。
いずれもお酒のみ。?
毎月一度、歯の点検とお掃除に歯医者さんに
通っている。
8年ほど前、イスラエルに旅立つ直前に、
下の前歯がグラっと傾いた。
夜食に入ったラーメン店で、かみ違えたから。
それで急ぎ歯医者さんにいって
応急処置をしていただいた。
その歯は8年たって、まだ大丈夫。
歯医者さんが驚いている。
でも先生が「今年の夏はそろそろ危ないですね。」
とおっしゃったとうり、こんどは右上の奥歯がはれた。
「右上奥歯、左下奥歯、イスラエルのラーメン歯、それから
右の下の歯、これが人気の順です。」
しゃれたお医者さんの言うとうりになった。
25日に一番人気の右上奥歯を抜いていただいた。
「過度の飲酒とタバコは歯によくありません。」
先生は追い討ちをかける。
実は18日から断酒をしていたから、
現在はお酒もタバコもやらない優等生。
タバコは二年前の8月9日からやめた。
でもお酒は「百薬の長」とうそぶいて
なかなかやめる気がなかった。
ところが加齢臭(かれいしゅう)よりも手ごわい
「口臭」が問題になった。
娘や家内が時々「お父さん臭い!」と
言うようになったのだ。
自分だけならいいけれど、
他人さまに悪いなあって感じてた。
あの秀吉でさえ茶々に言われてから、
どんどんと自信を失っていったと
言われる「口臭」。
原因は歯槽膿漏か胃か。?
とにかくやってみようか「断酒」。(笑)
というわけで実行中。
そんな日々のある夜。
プライナスが「ボトムライン」に出演すると聞いて、
今池にあるライブハウスに行った。
先に地下鉄で着いていた父母が仲良く
丸くて、いくぶん背の高いテーブル席についていた。
父(86歳)の飲み物はビール。
大丈夫だろうか。
断酒中の身につき、こちらはジンジャーエール。
生まれてはじめての「ボトムライン」は
プライナスの素晴らしい演奏と歌声で溢れた。
最後の「やさいのうた」が佳境に入っているとき
側にいた父が突然「やかましいで帰ろう!」って
うめいた。(あきらかに酔っとる・・・)
それとも本音だろうか。
「もうすこしだでね」となだめる。
曲が終わってみなさんに挨拶して、父を母とともに
両方で抱えて、駐車場まで歩く。
もうフラフラしている。
「すきっ腹で飲んだでねえ・・・」と母。
「どっかでごはん食べる?」
「柳橋で降ろすわ。」と私。
車で15分の道のりを行って、柳橋に着いた。
「はらへった。」とおじいちゃん。(父)
車を降りる時も、足元がふらついている。
父母を車から降ろして、すぐそばの家に私だけ戻ろうと、
運転席に座って、発進しようとして、歩道をふと見ると、
おじいちゃんがまっすぐに伸びて、倒れている。(笑)
「あれあれ」と下車。
歩道に行きかけた時、おじいちゃんを起そうとした
おばあちゃん(母)も、起しきれずに地面に伸びた。(笑)
通行人の人々が心配そうに覗き込む。
おじいちゃんは鼻血をだしている。
それからユダヤ人のように高い鼻の頭を
すこし傷つけていた。
手をつくこともせずに、まっすぐ鼻で地面を受けたのだ。
とりあえず車に乗せて帰宅した。
おじいちゃんはすっかり疲れて
痛い痛いと言いながらも眠った。
(ごはんは結局食べなかった)
みんなに「何でビールなんか飲んだの。!!」って怒られた時、
「まさたかが飲んどるでだが・・・。」
だが私は断酒中でジンジャーエールだったのだ。(笑)
いつもビールをあおる私の姿をみつけては、
「あんまり飲みすぎてはいかんよ。」といっていた
おじいちゃんだったのだが。(ちびまるこ風・・・笑)
事件が一段落しておなかがすいた。
「食事してくる。」と外へ出た。
歩きながら、「うなぎ食べて、今日はビールのんだろ。」って考えた。
断酒から9日間がたっていた。
結局おじいちゃんは、左足の細い骨に
ヒビが入ったもようで、サポーターをして
ビッコ引き引きしている。
それにしても、いつもいつもしているめがねを
あの夜だけはしていなくて、家に置き忘れて
いたのだけは、ほんとに不思議なこと。
だから目は大丈夫だったのだ。
おじいちゃん、おばあちゃん、なるべく
仲良く、長生きしてね。