随想 伊路波村から41~祈りの果てに

年の暮れ 激変するこの国のさまざまな人間模様が
毎日のようにニュースとして耳や目に入ってきます。

病弱な奥様を介護する生活の果てに
奥様との心中を決意し 奥様が亡くなり
自分のみ 生かされた61歳の男性の話が
今朝の新聞にありました。

奥様の首を絞めるときの 「行くよ・・・・」という おそらく
かすかなつぶやきに 思わず落涙しました。

先に逝った高校生だったご長男のところへ行こうと奥様を説得したのでした。
生活が苦しく もう葬式代しか残されていない
経済状態によって 心中を選んだ誇り高き人は
生活保護を受けることも 介護の制度にたよることも
しないで 自立して生きられない自分達の身上によって
死を選んだのでした。

「出来る事 考えられること 全てをやりきったのち
努力のはてに切羽詰まり最後は 祈るしかないという世界
そこまで行った人のみが ある日 ふと 明るい扉の前に
居ることに気付きます。」

城山だよりの坂田先生のこの言葉は 絶望のふちに立ちながらも
なお 希望をみつけることを忘れない人にのみ与えられる栄光かも
知れません。

高速道路のサービスエリア 障害者専用の駐車場に
目をやれば かなりの高齢者であるご主人が 奥さまを
車椅子に乗せるところでした。

こうした老々介護の実態はますます広がりをみせていくことでしょう。
自宅の東となりの タバコやのおばあちゃんは 長く一人で
暮らしてみえました。ネコ四匹と一緒です。

朝 閉じられたシャッターのむこうで ネコをしかりつける しっかりとした声が
聞こえなくなりました。その声が今日もお元気 という印でした。

おばあちゃんは 介護施設へと移りました。
残されたネコは ご親戚に移されました。

うち一匹のネコはその前にヒモをちぎって 逃げました。
誰もいない お隣さんとの細い隙間に ときどき顔を出します。
ヒモは首に少しついたままです。

掃き掃除するこちらの姿を見つけると 寄ってきて「ニャー~~」
まるで 「おばあちゃんは どこへ行ったの?」と
尋ねているかのようです。

はがき祭りで初めてお会いして はがき交歓が続く
写真家のWさんから ブータン旅行を告げるはがきが届きました。

ブータンは国民総生産ならぬ「国民総幸福量」が国家指針の
敬虔な仏教国にして国王制度の国です。

「ブータンは2004年12月に禁煙国になっています。
国全体禁煙とは凄いですネ。また首都には信号機がないようです。・・・・」

こんなことが書いてありました。
一人や二人では生きていけないご老人を
国民全体で見る やさしさをみんなが持ちたいと願います。

そんな国づくりを これからはなさなくてはと強く念じました。

12月は速いです。