中村天風さん

「成功の実現」などの著作でよく知られた
故中村天風さんのことばはもうこれで何十年
毎朝起きるときに唱和しているのでしょう。

「今日一日 怒らず 恐れず 悲しまず・・・」

中村さんの師は頭山満その人です。

大陸に頭山さんが上陸したという情報が
あると、ロシア軍は2キロメートル退却したと
あります。

その頭山さんが塾生とともにライオンの檻の
前に立って言います。

「誰かこの檻の中に入るものはいないか。・・」

中村さんが入りますと言って、檻の中へ・・・。
ライオンは中村さんを気にも留めずにいます。

また九州では炭鉱の労使交渉で炭鉱に立てこもる
労働者に交渉に単独で向かいます。
銃で攻撃されますが、何食わぬ顔で労働者の頭目の前に
立ちます。
頭目は驚き「怖くないのか?」と尋ねます。

「私には当たらないことを知っている。」と答え
頭目は驚き労使交渉を成立させます。

この中村天風さんは実は原因不明の胸の病を
もっていました。
そしてなんとか治療法はないかと世界中の医者を
訪ね歩く旅をします。
しかし治療法は見つからず、失意の中エジプトから
帰国の船に乗ります。

その船の中で運命の出会いがあります。

船中のレストランのあるテーブルで
何か変なことしている人がいます。

見れば、はしで目前に来るハエをつかんでいるのです。
寸分狂わずに。

それで中村さんはそのテーブルに行きお話を
所望します。
何故世界中を旅したのか、なんとか病を治したいことなどなど。

そのハエの主、カリアッパ師はヒマラヤの聖者でした。
師は中村さんに病を治す方法を教えるので一緒に来ないかと
ヒマラヤに誘います。

何かを感じた中村さんはついていきます。

ヒマラヤの山奥で師は瞑想をするように勧めます。

毎日毎日瞑想をしますが、なかなか病気の治し方を
教えてくれる気配が師にはありません。

二か月が経った頃中村さんは師に言います。
「もう二か月も経ちました。そろそろお教えくださいませんか。?」

師は中村さんに水を一杯にしたバケツを
持ってくるように言います。

持ってきたバケツに水を注ぎます。
水が溢れます。
師は言います
「君の心はこのバケツのようで今何を教えても
溢れる水のように何も残らないのだよ。
まずバケツの水を空にしなさい。
空にできたらすぐに教えよう。」

中村さんはもともと達人です。
この師の言葉をすぐに理解します。

ほどなく師はさまざまな真理を中村さんに
教え続けます。

次第に何をしても痛んだ胸の痛みは
消えていきます。

あらゆる病は 心の病と腹の底から理解します。
理解したころ病は消えていきます。

中村さんの一番の教えは「積極」(せきぎょく)です。
そして何があっても心だけは曇らさないで。
いつも喜んでいなさい。と言われます。