再録 随想 伊路波村から48~縁

縁って、お人とだけでなく、本や、もの、場所など
たくさんの縁があります。

すべては自分の人生を彩る、天からの霊(言)だと
知るとき、人生がすばらしく明るく輝くのでしょうか。

あまり本というものが好きでなくて、というより余裕がなくて
たくさんを読みましたとはとてもいえない私です。

ただ多感な(そんな時もありました)頃の10代後半から
20代前半には、アルバイトなどで少し余裕が出たことも
ありまして、いろんな本を読みました。

中でもこのように生きたいものと強く思わせた、魂を
揺さぶる本が、故 芹沢 光治良さんの「人間の運命」全7巻です。

芹沢さんの自伝的小説ですが、主人公の次郎は心優しく、
怒らず、温厚にして積極的な人物です。
若い頃の人生の指針としてむさぼるように読んだことを
思い出します。
一押し推薦の長編です。

著者の芹沢さんは自分の死期を認識できる方だったようですが、
一度の死期を延長されてからは、その後も多くの著作を
残されました。

東京中野に御住まいだったのですが、不思議なことに
今も御天画を通じて27年間の御付き合いをいただいています
同じ中野のNご夫妻が芹沢さんのご葬儀に最前列で参列されたことも
お聞きし不思議なご縁を感じさせていただきました。

長いときを超えて、
今年の賀状の中の一枚が芹沢さんの声を届けてくれました。

差し出し人のIさんは、日本人としてのマザーの深い友人でした。
インド心の旅を30年もの間主催され、多くの人々をインドへと
いざなわれました。

マザーが亡くなった日はちょうどインドの心の旅を終えて
コルコタ(カルカッタ)から日本へと戻る日でした。

しかし飛行機は飛ばずキャンセルとなったため、いそぎ
マザーハウスへと戻りました。

そこにはちょうど棺に入ったマザーの遺体がありました。
牧師様にお願いし写真撮影を赦されました。

後にその画像はIさんの著書に掲載をも赦されました。
そのIさんに降りたメッセージ

「人間は他のいのちに仕えたとき、自分のいのちが
もっとも輝く」

マザーの声が聞こえるかのようです。