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今から36年前の1985年3月、イラン・イラク戦争の時、イラクの大統領サダム・フセインが突然「48時間後、イラン上空を飛ぶ全ての航空機を撃墜する」と宣言した。
当時は、日本の民間航空会社にはイランへの路線はなく、安全が保証されないためと言って、臨時便も出してはくれなかった。反日体質の組合が強硬で、会社は政府に頼まれてもとても動けない。かといって、日本政府は自衛隊機を出すことを躊躇った。これも左翼メディアや左翼政治家が怖くて、とても自衛隊機など出せない。他国の航空会社は、当然のことながら、自国民を優先的に乗せて飛び立っていった。結局、日本人だけはテヘラン空港に取り残された。
ところが、タイムリミット直前に、トルコ航空が飛来し、215人の日本人を乗せて危機一髪のところでイランから脱出できた。これはその時から溯ること95年前の1890年(明治23年)、今からおよそ130年前に起きたエルトゥールル号事件の時の、トルコの恩返しであった。
当時、トルコはオスマントルコ帝国の時代で、トルコ帝国の軍艦エルトゥールル号が、開国したばかりの日本への公式親善のために来日し、その帰途に台風並のひどい時化に遭って転覆し、581人の犠牲者を出す大惨事になった。場所は和歌山県串本の沖合だった。その時、串本の村民たちが寒い嵐の中を、村を挙げて救出作業に当たった。そのお陰で69名のトルコ人が救助され、無事トルコに帰国できたのであった。
しかし、その時、日本のメディアはこの「恩返し」に関しては、一切報道しなかった。何故トルコが日本人救出に向かったのかは全く報道しなかった。したがって、この事実を知る日本人は少ない。とにかく、日本のメディアは、日本(政府)が、あるいは日本人が良いことなどするはずがない、悪いことしかしないに決まっているというのである。
今回のアフガニスタンのカブール事件では、幸い岸防衛大臣の英断で、日本は自衛隊機を出す事が出来た。隔世の感が在る。とにかく、3機の自衛隊機が救出に向かった。ところが、今回はカブール空港には、救助を待っている邦人は1人しかいなかった。
カブールの日本大使館などが邦人には連絡を取らずに大使館を一時閉鎖し、トルコ大使館に臨時事務所を作って、岡田隆大使以下館員全員は全てそこに逃げてしまった。アフガニスタンの邦人には何の連絡もしなかったのである。外務省と防衛省との連絡が悪かったのかどうかは良く分からない。とにかく、日本のアフガニスタン大使館はしなければならない職務を放棄して、逃げてしまったのである。日本の外務省は批判を受けることになるかも知れない。
エルトゥールル号海難事件の時のトルコの恩返しで、今から36年前に起きたイラン・イラク戦争の時は、トルコが日本人を救助してくれた。今回のカブール事件では、日本の大使館員がトルコの日本大使館に逃げ込んだ。何だか妙な話である。トルコに対して恥ずかしい思いがする。エルトゥールル号事件の時は、日本は明治の時代、今は令和の時代と時代は違うが、同じ日本人である。時代が変わればこうも変わるのか、この違いはどこから来るのか、不思議である。
これからアフガニスタンの邦人救出はどうなるのか、自衛隊機がいつまでもいるわけにはいかない。この後、アフガニスタンを制圧したタリバンとの交渉が始まる。今、アフガニスタンに何人の邦人がいるのかも分からない。メディアも今のところこのことに関しては何の情報も出してこない。
これからタリバン支配のアフガニスタンで、邦人に犠牲者が出る可能性も高い、その時、日本政府は、メディアはどう説明するのか気になる。メディアは、日本政府を非難すればそれで済む。ところが、日本政府は今回のアフガニスタン大使館の行動をどう説明するのか心配になる。
今のメディアはコロナ一色で、その他のことには一切触れない。各都道府県に今日は感染者何人と毎日発表し、とにかく緊急事態宣言を出したがっているようである。
現在、日本近海の極東地域には、世界中の戦力が集中しており、中華人民共和国(中共)の習近平は、先日、日本が台湾に関与すれば核爆弾を打ち込むと宣言した。世界は核戦争もあり得る状況下にあるにも拘わらず、メディアは毎日コロナ、コロナである。ワクチン事故も多発しているのに、それは報道しない。ワクチンを打った直後に亡くなっても、そこには因果関係がないと無視を決め込む。
日本のメディアは、日本が困ることを喜び、困るような報道をし、困る事態を作り、誰か他所の勢力の味方をし、その上で、日本の良いことは報道しないで隠蔽するという体質は良く理解できるが、日本政府は何に怯え、何を隠すのか、とても理解できない。誰かに支配され、誰かに遠慮し、誰かに忖度していることだけは確かなようである。