奥の院通信から R4 9/17 「イギリスのエリザベス女王崩御」

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イギリス王国連邦の女王・エリザベス二世(エリザベス・アレクサンドラ・メアリー)が、先日9月8日(木)に崩御された。96歳、ご在位70年であった。ウィンザー朝第4代女王で、イギリス国教会の首長でもあられた。

 天皇陛下(今上陛下)はこの崩御の報に接しられ、翌日9月9日には、宮内庁を通じてお気持ちを公表された。
 なお、実質的には、詔勅(みことのり)を渙発されたのである。今の日本国憲法では、「天皇の発せられる詔勅は無効」(98条)と規定されているので、「お気持ちを公表された」となっている。無礼千万であるが、天皇は憲法を遵守されるので、このように発表される。

 その内容の文書は以下の通りであった。

 「エリザベス女王陛下崩御の報に接し、深い悲しみの気持ちと心よりの哀悼の意を表します。
女王陛下は、70年の長きにわたり英国女王として同国並びに英連邦諸国の国民を導き、励まされました。また、世界の平和と安寧を常に願われたその御姿勢は、世界の多くの人々に深い感銘を与えました。女王陛下が残された数多くの御功績と御貢献に心からの敬意と感謝を表明いたします。
我が国との関係においても、女王陛下は両国の関係を常に温かく見守ってくださり、英王室と皇室の関係にも御心を寄せてくださいました。私の英国留学や英国訪問に際しても、様々な機会に温かく接していただき、幾多の御配慮をいただいたことに、重ねて深く感謝したいと思います。
また、女王陛下から、私の即位後初めての外国訪問として、私と皇后を英国に御招待いただいたことについて、そのお気持ちに皇后とともに心から感謝しております。
英国並びに英連邦諸国の国民を始め、世界の多くの人々の悲しみは尽きませんが、改めて女王陛下の御冥福を心よりお祈りしたいと思います。」

 女王の葬儀は、イギリス国の国葬として、ウェストミンスター寺院で9月19日に執り行われる。天皇皇后両陛下はこの国葬に招待され、17日から19日まで、機内泊を含め4日間、イギリスをご訪問になられる。両陛下にとっては、ご即位後初めての外国訪問となられる。

 この間、皇嗣であられる秋篠宮殿下が陛下から国事行為を委任され、初めて臨時代行をお勤めになられる。なお、皇嗣は皇太子と同等の地位である(皇室典範特例法第5条)。

 世界には王を戴く君主国は、現在は極めて少なくなったが、その中の主要国で君主制を保っているのは、このイギリスと日本国だけである。その意味では今回のイギリス国の女王が崩御され、その国葬に日本の天皇がご臨席遊ばされることには、格別の意味がある。