「人間の運命」芹沢光治良 著 R5 10/9

20歳のころやっと本を買えるようになった。
アルバイトで余裕ができたからだったのか。

その頃わが生涯で最も生き方に影響を
与えたのがこの本「人間の運命」。
長編だ。

主人公森次郎の明治大正昭和に渡る物語である。
これは芹沢光治良さんの自伝的な小説である。

森次郎は幼い頃父母兄が天理教に入信し
その伝道師となる。
だから捨てられた次郎は祖父母に育てられ、食べるものも
満足に食べられず、着るものも粗末。
そして幼い子供たちの面倒を物心共に面倒を
みるお役をいただく。

そんな次郎だが自分に与えられた様々なことに
一切の不満を言わない。
とても頭が良かったので、東大に進み仲間や
先輩、そして周りの人たちの温かい援助のもとに
生涯を送る。

人を恨まず、すべてを受け容れ、自分のできることを
やり続ける。

全編を通じて深く感動し、むさぼるように
読み続けたことを今、思い出している。

森次郎が人生の灯台となったことは、お人との
ご縁もそうであるように、本との出会いもまた同じと思う。

今の家内と20歳の頃二年ぶりに再会した時に
一緒に読んだよと家内がポツリと言った。
昨日のこと。
それから5年後に結婚した。
そしてこの10月14日で50年となる。
長いお付き合いだ。

芹沢さんは一度肉体をぬぐ寸前まで行ったが
天に救われたのか、その後幾冊もの本を世に出す。
そして96歳まで「神のシリーズ」を書き続けている。
幾冊かは読ませていただいたが、最近少し気になって
そのシリーズの91歳の時の作品「神の計画(はからい)」を
取り寄せて読んだ。

この現象界と実相世界は一つで存在、だが実相世界の
仕組みはつぶさには書かれていない。
天理教教祖中山みきは実相界にあり当時も天理教の
後継者の男性の口を借りて芹沢さんに語りかけた。

神さんは、地上で人間さんの陽気暮らし、
極楽暮らしを見たさに、地球上に人間を
作ったのに、その人間さんが、その極楽暮らしの
有難さも気付かずに、自らの地獄の苦しみに
おちるのやからなあ・・・。

(中略)
神さんのお心には、地獄も極楽もないのだよ。
陽気暮らしがあるばかりや・・・。

それなのに、人間さんは進歩すればするほど、
地獄暮らしに陥ちて、今日では人類は勿論、
全生物を死滅させ、地球をも死の惑星にするほどの
危険にひんしているが、人間さんはどうにも
できないでいるなあ。

親神さんは見かねて、去年から、初めて自ら世界を
駆けまわり、人類をすくおうと必死の努力をしていなさるのや。

人間さんは知らんでいる。

この中の親神さんは光源ともいえるのだろうか。
人間の口を借りて「言葉」を通じて意志を伝えている
存在だろうか。

そして大将軍という名のグループ、すなわち釈迦も
キリストも含んでいる歴史上の覚者たちも現存し
見えない実相界の使者として現象世界に影響を
与える。

現象世界と実相世界は一つと結んでいる。

東京で御天画を降ろされているNご夫妻は不思議なことに
芹沢光治良さんの葬儀に参列し真ん前でお弔いをされたよし。
30年間もお付き合いのあるNご夫妻が芹沢光治良さんと
ご縁があったことに人生の不思議を深く思った。

どんなご縁も大切にしたい。
たとえ裏切られても騙されても大切に生きたい。
人間の運命の主人公森次郎、そして著者芹沢光治良さんの
生き方を知り魂の底からそう思う。
すべては自らのことだから。

もう肉体を脱ぐことが迫っていた娘が呼吸器を
口に当てながら、そして喘ぎながらポツリと言った。
その当時の言葉が昨夜蘇った。

2人だけの時間

「おとうさん。。私お父さんのこと尊敬してるよ。」

「お母さん寂しがってたよ」

反省の人生です。
早逝の娘Sにありがとうと伝えた。
涙がボロボロとこぼれた。

今生の全てのお出会いに感謝でいっぱいです。。