人のことを第一に
自分のことはあとまわしにして、つとめきる以外に徳のできる道はない。昔から、わがことと下り坂は急がぬものはないと言われているが、自分のことはあとまわしにしても、やがてきっとかたづく。まず人のことからやるのだ。
朝起きる。歯をみがき顔を洗う。しかしこれは自分のことだ。それよりも、人の気持ちのいいように、まず便所の掃除をする。きびきびと動く。次から次と人のことをしていたら、とうとう自分の顔を洗うのを夕方まで忘れてしまっていた。
このように、人のことを第一にしておれば、心は勇む。身は疲れても心は晴れる。やがて運命は明るく変わるに違いない。これが天を生かす生き方である。