縁 ~ 親鸞 天の巻、地の巻  吉川英治 著

人の縁ほど不可思議なものはありません。
この世に生を受けて五十六年。
出逢った人、別れたひと。
たくさんの人に影響を受けて生を活かさせて頂きました。
そして現在の己があります。

言いかえれば、今の自分はすべて他人の固まりのようなもの。
初めての出逢いからどのように関わりが拡がるかは
すべて自分次第でしょうか。


初めてこの世でお逢いする方にハガキを書き始めて11年位になります。
それは、ある小節の一説との出逢いがきっかけでした。

故 吉川英治氏著「親鸞 天の巻、地の巻」。

ぼろぼろになった本でした。

聞けば、妻の祖父母が愛読した本とか。
何気なく読み続けているうち、ある一章節に《慟哭》を
余儀なくされました。

「ああ、この感動を初めてお逢いした方々にお伝えしたい」

その一心でお葉書を書かせて頂いています。
生き方を大きく変化させてくれた一冊の本。
生涯を終えるまでに、あと幾人の方にお逢いできるのでしょうか。
人間の一生は、まばたきの一瞬のようなもの。
だからこそ、逢う人も又逢う人も大切な方です。

出逢いは偶然ではない。
ましてや、共に暮す家族。
共に働く同志。
そして楽しく語らう友人。
仕事を通じての人々。
同じ地域に暮らす方達。
全てがとてもご縁の深い存在です。

己の人生で最高に感動を与えられた本を紹介させていただ
きます。

 

善人なほもて 往生す 言わんや 悪人をや ~ 嘆異抄 ~