「ゲルマン神話も」 奥の院通信 R3 7/8

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西ヨーロッパに伝わるゲルマン神話も、かつて核戦争があったことを伝えている。インドでは叙事詩の形で、西ヨーロッパでは神話として、キリスト教などの一神教世界では聖書に、かつての核戦争を伝えている。そして、その結果は世界中に存在する遺跡が物語っている。

 昔々、神々は巨人たちの種族と対立していた。ある時、一人の工人がやって来て、神々に「巨人たちの攻撃から守るために絶対安全な城壁を築いてみせる」と申し出た。しかし、その仕事の報酬として女神フライヤーとの結婚と太陽と月を要求した。神々は相談の結果、城壁を一冬の間に、誰の助けも借りずに築き上げたら、望み通りの報酬を与えると約束した。

 この工人は、自分の馬だけを使って仕事を始めた。この馬は驚くべき怪力の持ち主で、主人のためにどんどん巨大な岩を運んできたので工事はもの凄い早さで進み、約束の日の3日前にはあと城門を残すのみとなった。これを見て慌てた神々は、悪神ロキに命じて工人の馬を連れ出させ、工事の完成を妨害した。約束の日が来て欺されたことを知った工人は、怒りに燃え、恐ろしい巨人の正体を現したが、神々はトール神に巨人の頭を粉砕させてしまった。

 こうして神々は、難攻不落の城壁をただで手に入れてしまった。これが即ち今に残る巨石遺跡である。だが、この神々の欺しが重大な結果をもたらす。神々が約束を破った所為で、この世界で結ばれた全ての約束ごともぐらつき始め、その効力を失ってしまったのである。そして、世界は暴力と戦争の時代に突入する。その結果、世界は終末を迎える。神々の黄昏が到来するのである。そして、この神々と巨人たちの闘いが次のように描写される。

 「南方にはズールト(世界全体に火災を引き起こす巨人)が姿を現し、その後ろには数知れぬ火の巨人どもの群れが続く。ズールトの剣は光を放ち、彼の周囲では、亀裂を生じた地面から炎がわき出ている。彼が近づくと岩は崩れ、人間は生命が絶えて倒れてしまうのである。進んでくるこの軍勢の喧噪のために、天蓋は揺り動かされ、またその周囲の猛火に焦がされて、真っ二つに裂けてしまう。そして、火の息子たちが大地と神の住居を繋いでいる紅の橋の上に馬を通す時、この橋は燃え上がり、溶けてしまうのである。」(『ゲルマン・ケルト神話』)

 この神話が描く世界はまさに、全てが焼き尽くされ破壊された世界であり、あの広島で女子中学生がある瞬間、電車の中から見た光景(6月21日奥の院通信参照)と同じである。火や炎は、付けなくても瞬間自然に発生している。

 また、この巨人の軍勢と神々の軍勢がヴィグリットの野で大会戦を展開する。が、巨人ズールトの勢いは凄まじく、地球全体を火で覆ってしまい、世界を灼熱の状態に変えてしまうので、さすがの神々も一人残らず死んでしまう。いや、どの植物もどの生物も一つ残らず絶えてしまう。残ったのは荒れ果てた土だけである。
 このゲルマン神話が、ひとつの古代核戦争の描写であると考えれば分かり易い。もはや反論はない。こうして、世界は一度、一切が終わりとなった。続いて、ゲルマン神話はその後の世界の再生をも描写している。

 「そして、今や一切が、再び新しく始まろうとする。かつての世界の残骸は、新しい世界となって生まれる。ゆっくりとではあるが、大地が波の中から姿を現す。山々は再び高まり、かつての日と同じように、野は緑の植物に覆われる」
 だが、人間は?僅かな人間はこの戦乱を生き延びる。
 「世界を灰と化してしまった、あの焼き尽くすような炎も、ユグドラシル(ゲルマン神話の世界樹、トネリコの大樹)を焼き尽くすことが出来なかったので、その幹の中に閉じ込められていた今日の人間の先祖たちは、死を免れたのである。しかし、彼らが見いだした安住の地では、彼らの食べ物は朝の露だけであった。」

 世界を灰と化すような炎から、ユグドラシルが人間の祖先を守った。ここでもまた、核シェルターが登場する。いずれにせよ、このゲルマン人の神話は、核シェルターだった巨石とそれにまつわる核戦争による古代社会の壊滅の記憶を、今に伝えているものである。

 前回の核戦争があってからおよそ4000年の歳月が流れ、今再び人類はその核を大量に持ってしまった。人類を10回全滅させることが出来る。あとは、いつ誰に核のボタンを押させるかである。
 不都合な事実を生み出し、おたがいを憎しみ合わせ、あとは狂人を造り育てるだけになっている。核保有者は「核兵器の先制使用はしないという宣言」すら出す事を拒否している。