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最近アメリカは、原子力空母3隻と強襲揚陸艦2隻、つまり空母クラスの艦艇5隻を極東アジアに展開させている。アメリカ海軍研究所(USNI)は今年1月18日、東シナ海、南シナ海におけるこれらの作戦状況を公開した。アメリカがここまで戦力を集中させるのは異例である。
第7艦隊所属のロナルド・レーガン(横須賀基地母港)、第3艦隊のカール・ビンソン(ワシントン州キトサップ海軍基地母港)とエイブラハム・リンカーン(カリフォルニア州サンディエゴ母港)である。いずれも世界最大級のニミッツ級原子力空母である。強襲揚陸艦アメリカは佐世保基地を、エセックスはサンディエゴを母港とする。
カール・ビンソンは、昨年2021年8月に横須賀基地に入港し、10月にはイギリス、オランダ、カナダとの共同訓練に参加し、そこに日本の海上自衛隊の護衛艦「いせ」も参加していた。
一方12月16日には中共の遼寧が太平洋で訓練を実施していた。この時も南シナ海に米軍の空母打撃群と強襲揚陸船団も入り、緊張感が高まった。
今年2022年に入ってから、北朝鮮はミサイル実験を盛んに繰り返し始めた。彼らはその性能を上げて抑止力を高めている。潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)などの開発も進めている。日本、韓国、アメリカにとっての脅威が増している。
一方中華人民共和国では10月16日から22日まで共産党大会が開催された。今回は習近平が慣例を破って3期目の総書記に選出されるかどうかの極めて重要な大会であった。胡錦濤前国家主席をつまみ出すという事件も起きたが、何とか習主席がその後も続投すると言うことになった。
しかも、ここで中共の指導部が総入れ替えのようになった。ここで胡錦濤率いる共青団が権力の座から一掃された。中共の権力闘争は決着がついたようである。この権力闘争では、何が起きるか分からない状況下にあったことは間違いない。
今回のアメリカ海軍の動きはこの中共の政治情勢を睨んでの動きであったものと思われる。しかも、この動きはまだ終了していない。ウクライナ紛争が続いているこの時期、極東におけるこれらの米海軍の動きは、むしろこれからという段階にあるのかも知れない。
異例ずくめの中で、改めて就任した習近平国家主席が、何を発表するかが注目されるところである。しかも、同時に中共の台湾侵攻の問題が急激に現実化する危険性が高まった。ここで習近平が権力を握って独裁体制を整えたとして、この国の基本方針である台湾併合作戦を実施することになるとしたら、アメリカはどういう態度を取ることになるかは予測できない。
今回のアメリカ海軍の動きはそれに備えてのことであることは間違いない。しかし、アメリカは今DSのアメリカ(バイデン政権)とミリタリーを中心としてアメリカの真正政権に分裂している。そして、今回極東に展開している海軍がどちらの勢力が実施しているのか不明である。しかも、今回独裁制を完成させた習近平がどちらの勢力下にあるのかも不明である。
習近平がアメリカの真正政権と組んでいるとしたら、人類は救われるが、逆にDSと汲んでいるとしたら、世界はこれまでと全く同じで、更にDSの支配が強化され、世界はジョージ・オーウェルの描いた動物農場に大きく近づくことになる。世界統一政府が完成に近づくことになる。
しかし、この混沌とした時期は長くは続かない、間もなくどちらの方向に向かうのかは明確になるものと思われる。習近平がどのような宣言をするか、そして間もなく行われるアメリカの中間選挙の結果でかなり方向性は明確になるはずである。
習近平がここで政敵である胡錦濤を中心とした共青団や江沢民一派を排除したことで相当の混乱が予想される。相当な数の人民が犠牲になることが予想される。アメリカでもバイデン政権は不人気で、DSが再び不正選挙も辞さない構えでいる。今のところ、民主党が敗北し、バイデン政権は窮地に立たされることになりそうである。従って、DSはこれから何をしでかすか予想もつかない。