「想念の不思議」
私はオーストラリアへ引越しをする前の数ヶ月を
愛知県名古屋市で過ごした。
その頃に読んだ本の中に飯田史彦著の『生きがいの創造』
という素晴らしい本があった。
そんなある日、著者の講演会が知多市で開催されることを
知った私は、行きたい気持ちでいっぱいになった。
だが、その日はどうしても都合がつかず、仕方なく諦めた私は
「身体は行くことができなくても、せめて自分の想いだけは
会場へ行きたい」と思うようになり(笑)、数日前から
講演会へ向けて念を送るようになっていた。
そして当日になっても、それで満足していた。
不思議なことが起こったのは、それから間もなくのことだった。
私は、ある方のセミナーに出席するため、会場のロビーにいた。
すると向こうから、大きな声で私の名前を呼びながら二人の
若い女性が駆け寄ってきた。二人とも私の知らない顔だった。
女性 「きゃー♪この前、飯田史彦さんの講演会でお会いした
青山さんですよね~。あの時はどうも~♪」
と言って私の手を取る。
私 「・・・えっ?私?」
女性 「青山さん・・・ですよね?」
私 「・・・はい、青山ですけど・・・、あの・・・」
女性 「飯田史彦さんの講演会、行かれましたよね?」
私 「いえ、行きたかったんですけど・・・行けなかったんです」
女性 「えっ?でも・・・青山京加さんですよね?」
私 「はい・・・、でも行ってないんです・・・、ごめんなさい」
と、だんだん小さくなる私。
その様子に、さすがの彼女たちも気になったのか
「・・・何か、間違ってたみたいです。すみませんでした」
そう言ったかと思うと、二人して首を傾げながら
どこかへ走り去ってしまった。
実は今、私はとても後悔している。
なぜあの時、走り去る彼女たちを追いかけて、もう少し詳しい話を
訊こうとしなかったのだろうか。
いくら突然の出来事とはいえ、もう少しくらい何とかならなかった
ものだろうかと・・・。
いくら問い続けても、今となってはまるで全てが幻のようだ。
オーストラリアにいた頃、ある雑誌にこんなことが書いてあった。
世界で活躍するアーティストの中には
良いアイディアが浮かばず煮詰まってしまったときには
まず先に素晴らしい作品が完成したという想念を持ち
それを自分の好きな場所へ送る
ということをする人がいるという。
そうしておいて後からその場所へ行き
まるで宝物探しでもするように、これだと思えるものを見つける。
既に想念を送っているのだから、小さなヒントも見逃さない。
やがて、彼らは「それ」を見つける。
人間はまだ本来の能力の、3%程度しか活用していないという。
その3%で、全てが分かっているような気分になっているのだと。
もしこれが本当なら
私たちはまだほとんど何も知らないでいるということになる。
想念の不思議も、残り97%の秘密の中で眠っている。
あの日、私の想念は私の身体を創造し
会場で彼女たちに会い、会話を楽しんだのだろうか。
それなら私はこれまでに
いったい何人の私を造り出したか数しれない。
いったいどれが本当の私なのかも、誰にも、私にも分からない。
ブログ「セレブの不思議な幸運サプリ」