なるべくなら静かに誰にも言わないで、
この世から去ったほうがいいと
思わせることがらがある。
思い出すたびに、他を叱責する思いに
とらわれること。
でもそれらはすべて自分を叱責しているのだ。
家族全体に知れた去年の10月からもう
一年が経とうとしている。
そのことの当事者で知っている方はもう
この世にはいない。
そしてその10月から激動の一年が始まった。
瞬く間の一年だった。
人間の側にたつ理解を超えるできごとが
いくつもおきて、みんなを驚かせた。
とてもできることではない、おきるはずのない
できごとだった。
奇跡はだが記憶のかなたにおしやられ、
時間はいつしか人間を日常に引き戻す。
この世に生かされたことの意味を知れと
教えているようなことは多い。
この家族があって私は生かされた。
みんなに逢いに来たんだ。