国家破産 その2 ~元気アップ村 村長の部屋~

「国家破産」 その2
5.日本再占領
今はアメリカによる第2次占領時代。国家破産を目前に控え小泉政権は日本国民のためにアメリカ追随に走っている
わけではなくおそらくポーズで自分達の延命に為だ。腐敗した国家でアメリカの言いなりになった国は、これまでほとんど国家破産してきた。いまのシステムとを放置したままでは国家破産は避けられず、それ以降はアメリカの完全な経済植民地になり、日本の再占領だ。


1998年に米国では日本のハードランディング案の「ハーバード・レポート」が出された。その内容は「銀行の数を大幅に減らせ。低金利政策の継続、護送船団方式をやめる。不良債権を抱えたゾンビ企業を処理しろ」というもので約6年間、日本の金融はこの指示通りに改革されてきている。そして2002年には「ネバダ・レポート」が出ている。これはもし、IMFが日本を管轄下においたらどういう政策が打ち出されるかと言う内容で国会でも審議されている。
①公務員の総数30%カット及び給与の30%、ボーナスの全額カット。
②公務員の退職金全額カット。
③年金の一律30%カット。
④国債の利払いを5~10年間停止=事実上紙くず
⑤消費税20%へ引き上げ
⑥課税最低限を年収100万まで引き下げ。
⑦資産税の導入。不動産に公示価格の5%、債権・社債に5~15%。
株式は取得価格の1%の課税。
⑧預金は一律ペイオフを実施し、第二段階として預金額を30~40%財産税と
して没収。
このレポートは公表された衝撃の割にはその後全く無視されている。それは国を 運営している官僚たちが自分の首を締める①②の考えがないからで、③以下の ことは国家破産にいたる過程で実現されていく可能性が高い。
6.ブリックスの世界
今の経済構造が変化するとアメリカの一極支配も崩れざるをえないが、政治・軍事的には当分崩れない。最近注目されているブリックス(BRICs)というキーワードがある。これからはブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字の略称だ。ゴールドマン・サックスの2003年10月のレポートに使われたものだが、これら4カ国のGDPは今後40年間でG6のJDPを凌駕すると予測している。そして日本は
現在米国に次ぐ2番の経済大国だが2050年には①中国②アメリカ③インド④日本⑤ブラジル⑥ロシアの順になるという。
先進国に特化した情報化社会論はあまり富を生み出さなかった。コンピューター産業、通信産業は発達したが経済牽引力はたいしたものではなかった。そこで元のモノの生産を基本にする実物経済にもどり、市場を拡大する為にブリックスを発展させていこうとしている。
アメリカが大義無いイラク戦争をして石油を確保した真意は産油国をコントロールしてドルを石油と交換できる唯一の通貨するためだ。石油は立派な実物資産でドルの価値の裏付けとなる。第三世界が発展していく中で書く最盛時は「対テロ戦争」という枠組みで動いて
いく。9.11テロ以降ネオナショナリズム時代の第一局面での勝ち組と負け組みがはっきりしてきた。勝ち組はアメリカ、イスラエル、イギリス、トルコ、ロシアそしてイラクへ派兵し、反テロに参加した国。日本もかろうじて勝ち組だ。負け組はアラブ諸国、イスラム諸国、北朝鮮などだ。
国際政治の権力構造の基本はいかなる勢力がいかなる勢力と対立しているかという対立構造だ。これをいかに自分に有利な形に持っていくかだ。これは自然に生まれるものではなく人間が意図的に作り出すものだ。国家破産後の日本と日本人はどうなっているのか。破産後の日本政府の金融力はゼロになり、それまで国家に頼っていた企業は死滅し、外国資本によって買収・整理される。そこに勤務する人はリストラされ給料は大幅にダウンする。その中で確固たる技術を持つ製造業ののみ生き残る。そしてこれが日本を支えていくことになる。それらの企業はブリックス世界でも確実に生き残っていけるだろう。しかしその数は圧倒的に少ない。
7.「国家破産」以後の世界
国家破産しようとも我々は生きていかなくればならない。どう生きたら良いのかの安易な解答はない。なぜなら過去のどんな時代とも違う未来だから。しかし歴史に学ぶ事無く進歩は無い。知識人と官僚は景気拡大を驚異とみなすのは自分達のエリートの地位が脅かされるからだ。多くは隠れマルクス主義者で大衆支配を合理化しようとする。経済活動は格差があるから起こる。無ければ停滞し、庶民がいつまでも庶民では経済など少しも良くならない。日本の社会主義システムの起原は1940年体制にある。これは戦時体制で戦争遂行のために国家がコントロールできる社会システムに変えた。官僚独裁はその最たるもので、この下に企業も金融も個人も管理されえることになった。戦後マッカーサー司令部がこのシステムを占領統治がしやすいということで完全に潰さなかったことに不幸がある。つまり官僚と自民党が組んだ「55年体制」はもっとも日本をコントロールしやすい体制で、これは国民の利益を無視された植民地政治体制である。このシステム下で官僚は国民をバカにして、勝手に税金を使って借金の山を築いてしまったので、今度はアメリカの直接統治の「第二占領期」が始まった。第二次世界大戦後の日本は全てを失ったが官僚制度は残った。彼らは明治以降のテーマであった先進国に追いつけという国家目標を復活させ、奇蹟ともいえる高度成長経済が出現した。しかし、この官僚制度の賞味期限は先進国に追いついた時点までであった。目標を達成した1970年代に社会主義システムを捨て、欧米型の自由経済に基づく資本主義の移行すべきだった。だが、1970年代の初頭に登場したのは、国民の圧倒的支持を得た「今太閤」田中角栄だった。かれは「日本列島改造論」を掲げ国土の均衡ある発展、日本全国皆一緒に豊かになりましょうと、旧ソ連以上の社会主義社会を実現しようとした。田中角栄の政策の危険性に気づいた人間は殆どいなかった。それを実行する。のは官僚ちであるから彼らから反対の声が上がるわけが無い。それで、僅か2年で失脚したにもかかわらず、新産業都市建設、新幹線建設、高速道路網建 設、ダム建設、中小企業保護政策、農業保護政策などその後も次々と実施され、現在、無駄な公共事業と言っているのはみな角栄の負の遺産だ。ともあれ、1940年制は逆に強化され、資本の合理的分配が起きなくなり日本の成長がストップした。
高度成長から低成長に転じたのは田中角栄内閣のときからだ。その後1980年代になると日本に一億総中流社会が出現した。確かに豊かな社会だったかもしれないが、それは冷戦構造と言う温室に守られた徒花に過ぎなかった。なぜなら、続いて起こったバブルでこの徒花は吹き飛び「失われた10年」という大不況に陥り、じきに国家破産を迎えるところまで来てしまった。国家破産がいつになろうと、この社会主義システムを崩壊させない限り我々国民は救われない。1990年代になって社会主義の衣をすこしずつ脱ぐようになり、民間の企業社会に最初に現れた。グローバリゼーションが起き世界が資本主義の大競争時代に突入した為に日本の企業も変わらざるおえなかった。サラリーマンのリストラ、転職、終身雇用・年功序列の崩壊を意味しており、日本人男性の8割がサラリーマンという社会が崩れるということだ。日本はまた、明治の資本主義勃興期、あるいは戦後の復興期のような時代にかえるのだ。これは、国家破産が何時起ころうと関係ない。むしろ、国家破産となれば急速にそうなるだろう。今後の日本の若い世代は日本的サラリーマン人生を生きてはダメだ。この国ではサラシーマン人生が通用しなくなり、これまでの人生双六が完全に成り立たなくなる。日本が安定していた時期の理想は「核家族」であった。サラリーマンの夫と専業主婦に子供2人の4人家族。これが日本の標準家庭でこのモデル社会設計がなされ経済が運営されてきた。しかし、今こうした標準家庭が何処にあるのだろうか。非婚、未婚、晩婚化が進んだ現在、単身世帯、共働き子供無し世帯、老夫婦だけの世帯ばかりになった。すでに、社会システムが国民のライフスタイルに合わなくなっており、国家破産があろうとなかろうとこの国の社会の力は確実に衰えていく。もう直ぐ人口減少が始まり、社会を維持するに必要な労働力も失われ、高齢化と産業の空洞化がますます進む。東京はすでに出生率は1をきっている。今後若い世代は1人で生きていくことを強いられる。極論すればあなたを助けてくれる家族やパートナーはいないと考えた方が良い。若者はよほどの勝ち組でなければまともな結婚も出来ず、子供さえも作れない。それに国家破産が追い討ちを掛けるのだから、ほとんどが負け組になり、年金も崩壊しているので、一生涯働き続けなければ生活できないだろう。若い世代に言いたいことはできるだけ身軽になることだ。あなたの上の世代の真似だけは絶対にやってはいけない。これからは新しい世界だ。日本だけが人生のステージではない。この国に職がなくなれば海外で職探しをしなければならなくなる。とすればいつでもどこへでもいける自由を持っていることが一番大切だ。だから、サラリーマン等のはもっとも自由のない生き方だと認識して欲しい。国家規模の動乱が起こったときは全てから自由で有能な人間が被害を免れて次の時代をつくることになる。自分のスキルを磨き今後の動乱に備えるべきだ。未だ公務員になるのがもっとも安全な生き方と考えている人が絶対に公務員になってはいけない。国家破産になれば大規模なリストラと給与カットがなされ、いずれ公務員の待遇は民間以下になる。IMFがやってくればこれは即座に実行される。筆者は日本の将来には絶望的だが、若い世代には大いに期待している。この時代の変化の影響を受け苦しんできた世代で、まだ古いパラダイムを捨てきれない団塊の世代とその上の人々よりもずっと適応力が強い。しかし、彼らに一つだけ不満がある。それは選挙に行かないことだ。彼らが投票しないと旧世代支配が残ったまま日本は落ちぶれていくことになる。なぜなら、アメリカの植民地になろうと、大中華経済圏に飲み込まれようと彼らは政治改革までやらず、IMFが来ても改革されるのは財政、経済面だけで、若い世代の生活は今よりももっと苦しくなるで、国家再生の希望は生まれてこない。だから政党に関係なく旧世代の政治家を落選させ、明治維新に匹敵する「新民主政治革命」を起こす必要がある。
日本は国家破産と共に日本が日本である根本の精神を失ってはダメだ。それは「武士道」だ。国家破産はただ貧しくなる、お金が無くなるということで、そんなことは日本人の精神文化からいってそれ程のダメージではない。武士道精神を最も評価しているのは台湾の李登輝前総統だ。彼が言う武士道精神を一言で言うと「誠」の精神だ。日本人は真面目に努力をすることに最高の価値を置く。日本人はインチキをしてお金を儲けたのではなく、ちゃんとモノを作って儲けた。そして、約束は必ず守った。これを失ったら日本は日本で無くなるということだ。
国家破産という大変動で最後に貴方を救うのはいったい何かと言うことになる。殆どの国民は大損害を被るが今から確実に計算し資産を守り抜いた資産家だけが被害を免れる。又、戦後の日本の復興期でもそうだったが、抜け目無く稼いで財をなす人間も出現する。しかし、それで上手く行ったとして、多くの国民が苦しんでいるのを見て幸せだろうか?自分だけ助かって笑っていられるだろうか?戦後史を振り返ると、闇市でひと儲けしたような人間は1950年ごろになるとなぜか急に没落している。これは日本社会が秩序を取り戻し、不法な生き方をする人間を排除するようになったからだ。では、どんな人々が本当に助かり成功したのか?それは、真面目な人々、コツコツと毎日懸命に生き抜いた人々である。つまり誠を持った人間達だった。最後にあなたを救うのは守り抜いた財産や資産では決してない。「誠」の精神であり、あなたの信用だ。それによって築かれた人と人の絆であり、愛国心であろう。真の愛国心であれば現在の国家体制を革新することも可能になる。