ある道のり20~いのちの実相 3 心の学び~

ある道のり~いのちの実相 3 心の学び~

娘の発病がきっかけとなり、 それまでの人生に疑問を感じた私に届いた
勉強会の誘いのままに申し込みをしました。
生き方、経営の仕方が知りたい。

どうして普通に生きていて、娘があのような病になってしまうのか。
なぜそれが私たちの娘なのか。

私は4人の子供たちに勉強を、しなさいと言ったことは一度も
ありません。また学校の通知表を持ってきた時は、成績のことには
一切触れず、通知表の後ろの先生の文章を読み、何かみんなのために
できたことや、すこしでも成長したことを大げさにほめました。
それが本音でしたから。

気がつけば、母にされたようにようにしていたのでした。
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ある道のり21~いのちの実相 4  未来が今に 過去が今に~

商工会議所主催のN塾が終了し、そのOB会が発足しました。
ある日のその会合の後、世話人のKさんと友人のIさんと共に
居酒屋にいました。そこでの会話の中で、私は世話人のKさんに
このように言いました。

「人間ってなんでしょうか。本当のことってなんでしょうか。
わからないから知りたい、学びたいと思っています。」

酔っていました。
それまでとはまったく異なり、すべてに積極的で
気が向いたことならなんでもやりたい、頼まれたことは
「はい喜んで!」に変わっていたのです。
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ある道のり22~いのちの実相 5 実相への光~

時間の不思議や自分の生命のふしぎが目前に迫っていました。

先のセミナーでは父親に対する憎しみと母親への哀れみのふたつを
完膚なきまでに、自分の心から追い出した後に体験がありました。

父親と母親がキン斗雲(きんとんうん)に二人並んでしかも笑顔で
手を振っていました。そしてその雲は二人を乗せたまま
かなたへと消えていきました。
ああよかったと思いました。

そして二人は仲良しだったんだとも思ったのです。
二人は演技をしてくださった。

強くするために、父は凄い仕打ちをしてくださった。
ふたりに、ありがとうと言いました。
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ある道のり23~いのちの実相 6  自分しかいない~

自分しかなくて また自分さえない 感覚でもなく
ただ そのことが私たちの現実感とはまったく
かけ離れた それでいて何にも変えがたいもの。
ただもう 嗚咽しかないもの。

そしてそれであればこの現実の何をもはるかに
超越し、しかも私たちの知るいかなるものとも比較することのできないもの。

まったく不変であって、しかしながらものすごく躍動し、ものすごく湧き出るもの。
そんなわけがわからない表現でしか言葉では言えないのですが。
自分はそこのそこに繋がっていて、しかもそこのそこそのもの。

さらに誰でもが、まったく同じなんだということ。
どんな方でも、まったく同じなんだということ。
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ある道のり24~いのちの実相 7  事件 1~

二度の自宅内での飛び降りも,何かを試すような感じがしていました。
幸いにも二度とも大した怪我もせずにいたのです。

ただやはりいずれも二ヶ月ほどの入院を余儀なくされました。
薬は増える一方です。
多剤処方で何がなにやらわからず、
まるで薬を食事のように服用しました。

娘の様子はもうとてもそれまでのようにアルバイトができるような
状態ではなくなっていました。
それでも何か自分で誰かの役に立ちたいと
切に願う娘は、かなわぬこととは言え「よくなったらまた働くよ」と
口癖のように言うのでした。
自分の存在を 何かで表したい一心だったのでしょう。
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ある道のり25~いのちの実相 8 事件 2~

お隣さんは驚いていたようでした。
突然に屋根に何かが落ちてきたのですから。

そのせいかこちらの「開けてください。!娘が落ちました。!」
という呼びかけにも、ドアを開けることができなかったようです。

一刻を争う・・、途方にくれて、そう思いどこか屋根に上れる場所を探しました。
3件ほどが棟続きの平屋でしたので、そのはずれに行き
ブロック塀を登ろうと思い移動しました。

その場所について塀の下を見ましたら、なんと娘がそこに
横たわっていたのです。??
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ある道のり26~いのちの実相 9 未来の姿が~

S先生は気の達人です。
多くの難病を治した実績のある方です。
またお料理もとてもお上手で、自らつくり、患者さんに
ふるまわれました。

病院とか、薬とか、カウンセリングとかのすべてを信頼することが
できないまま、最後の癒しの方法にかけてみようと思ったのです。

娘は先生に会ったとたん、とても嬉しそうな顔をしました。
あとで聞きますと、なんだかなつかしい気がしますと言いました。
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ある道のり27~いのちの実相10 生気への道 1~

娘がイメージした場所へ落ちていきました。
「ああ今度はダメかも・・・」

あの堅い屋根に7階から落ちて無事なはずがない。
それでも、あまりの激しいできごとにも心は冷静でした。

もしかしてと、予見する心があったのかも知れません。
とにかく救わなくてはと、救急車が到着と同時に
9時すぎの時間なので、もういなくなった3階のテナントさんに
連絡を取り、入室を許可いただいて、2階の突き出た4分の一円の
コンクリート屋根に横たわる娘を地上へと降ろしていただくのを
ぼんやりと見ていました。
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