吉田松陰 「覚悟の磨き方」 池田 貴将 著 1ー42

ミネハハさんからいただいた書物です。

世にいう「松下村塾」は山口県萩にあります。
ご縁あって昨年初めて訪問が叶いました。
十畳と八畳の二間だけの塾です。

そこでしかもたったの二年間だけの開塾でした。
その間習った方々の中から高杉晋作、伊藤博文、
山形有朋など、のちの総理大臣二人、国務大臣七名、
大学の創設者二名などなどを輩出しました。

松陰は塾生の方々に言います。
「決して私が皆さんに教えるという事ではなく
皆さんと共に学びたい。ともに真剣に語り合いましょう」

そして30歳牢獄に囚われ、死罪に。

死罪が近づいたある日松陰はご両親に
いつもは出すことのなかった別れの手紙を
送ります。

「親思う心にまさる親心

今日の音ずれ なんと聞くらん」

子が親を思うこころに、はるかにまさる
親が子を思うこころ。
今日のわたくしの死罪の知らせを
お聞きになって父上、母上はどんなお気持ちだろうか。

その句に涙しました。

「君たちはどう生きるか」

松陰は問いました。

100年や200年後の国の将来ではなく
3000年先のこの国の将来を憂えていた松陰です。

「身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも
留め置かまし 大和魂」

松陰辞世の句です。

吉田松陰 「覚悟の磨き方」 池田 貴将 著 1

本当に幸せな人

幸せな人の心は二種類に分かれます。
ひとつは
どれだけ貧しくて、厳しい状況に置かれても、
いつもゆったりとした雰囲気でいて、
決して他人を責めたり、自分の運を呪うことのない心です。
もうひとつは
誰に対しても、まるで家族みたいに親切で、
どこかで困っている人がいると聞けば、
もうそれだけで食事がのどを通らなくなったり、
不眠になったりするほど気を配る心です。

どちらも同じ心のことです。
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吉田松陰 「覚悟の磨き方」 池田 貴将 著 3

何を選ぶか、どう選ぶか

自分にとっての利益。
これをなるべく増やそう、残そうとすればするほど、
判断基準がぶれ、迷いが生まれます。
反対に、自分の利益さえ一番後回しにできるなら、
やろうがやるまいが、どれを選ぼうとも、
物事は気持ちよく進んでいくものなのです。
自分のことを考えると、かえって自分のためになりません。

吉田松陰 「覚悟の磨き方」 池田 貴将 著 4

逆境に礼を言う

鉄は何度も熱い火の中に入れられて、
何度も固い金槌で叩かれて、はじめて名剣に仕上がります。
すばらしい人生の送り方もよく似ています。
何度も繰り返されるきわめて不都合で、
ありがたくない経験の数々が、
旅路を美しく輝かせてくれるのです。

吉田松陰 「覚悟の磨き方」 池田 貴将 著 5

自分はどうあるべきか

反求諸己
「全ての問題の根本は自分の中にある」
どれだけ大きな計画であっても、
物事を動かす基本はここにあります。
計画がうまくはかどらずに悩んだときは、
外部に答えを求めることなく、
「まず自分はどうあるべきなのか」
雑音から距離を置いて、一人静かに考えてみましょう。

吉田松陰 「覚悟の磨き方」 池田 貴将 著 6

運が向かない人の考え方

壊そうとするから、壊されるのに、
打ち負かそうとするから、打ち負かされるのに、
人を見下すから、人から見下されるのに、
そうとは気づかずに、苦しんでいる人は
本当に多いものです。

そしてすべてを失いそうになってもなお、
その原因を作ったのは自分自身なんだって、
考えが及ばないのは、本当に悲しいことです。