吉田松陰 「覚悟の磨き方」 池田 貴将 著 32

調べるよりも聞こう

何でもかんでも知識ばかり集めるのは、
役立たずのインテリだけでいいのです。
活きた知識を身につけたかったら、
直接その場に行って話を聞き、その目で見て、
その手で触れるのが一番早いでしょう。

吉田松陰 「覚悟の磨き方」 池田 貴将 著 33

惜しみなく教え、頭を下げる

「あいつはよく勉強している」と言われるような人は、
よく本を読んだり、調べ物をしたりしている。
ということではなく、その道をきわめようとしています。
それもただその道をきわめようとするだけではなく、
後ろからやって来る者に対しては、自分が知っていることを、
惜しみなく教えようとします。
さらに「その道においては先輩」だと認識していれば、
相手の年齢や、役職がどれだけ下だとしてもこだわらず、
頭を下げて教えを乞います。

技術はずいぶん進んで、
情報収集をする人は世の中にあふれかえっています。
しかしそんな風に道をきわめようとする人は、ほとんどいないんです。

吉田松陰 「覚悟の磨き方」 池田 貴将 著 37

嫌な人は鏡

愛されようとするのではなく、
こちらから愛しましょう。
尊重してもらおうとするのではなく、
こちらから尊重しましょう。

誰かが横暴な態度をとってきたら、
「何か失礼なことをしてしまっているんだろうか」
と自分の心に聞きましょう。
もし心当たりがなかったなら、
「何か身勝手なことをしてしまっているんだろうか」
と自分の心に聞きましょう。

ここまでは、やろうと思えばできることです。
いくら自分の態度を思い返しても、
自分に否がないと確信したとき、
急に相手が許せなくなるものです。
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吉田松陰 「覚悟の磨き方」 池田 貴将 著 38

駄目なものに尽くすこそ価値がある

チームに勢いがあって盛り上がっているときは、
誰もが忠義をたてるものですが、
勢いがなくなって衰えてくると、
急にいなくなったり、裏切ったりする人が増えます。

生き抜くためという理由もあるのでしょう。
ですが結局、最後まで踏ん張れなかった人は、
どれだけずば抜けた才能や技術あったとしても、
私は尊敬できません。
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吉田松陰 「覚悟の磨き方」 池田 貴将 著 39

人が動物と違う理由

人には「五倫」、
つまり”踏みにじってはいけないもの”が五つあります。
ひとつは親子の愛情、ひとつは自分が大切だと思う人の気持ち、
それから夫婦の役割を認め合う心、年上を尊敬する心、
そして仲間との信頼関係です。
人が人である理由は「心」にあります。
そして人は、人の心に触れることによってのみ、
そこにすすむべき道を見つけることができます。

動物には絶対に得られない、人であることの最上の喜びは
「尽くしたいもののために尽くせること」です。