藤原 てい 作家
満州からの逃避行の途中で一番先に首をつったのは、ソ連兵に強制連行されることもなく残された年寄りの男たち。次に、井戸に飛び込んだのは、独身女性、最後に残るのは、いつも私たち母親でしたね。食べるものもなく、栄養失調で腸の膨らんだ不憫な子供たちを、生かすも殺すも紙一重の気持ちなんですね。どうせ死ぬものなら、いっそ自分の手で・・・、と。でも、子どもを殺す親は、その瞬間、狂ってましたね。
“致知出版社 一日一話 読めば心が熱くなる・・ 第二弾 5 「喜びと悲しみはあざなえる縄のごとし」 ” の続きを読む